次籐、佐野コンビが主役です








「佐野、少し遅れたばってん…」
「はい!」
合宿の昼休み…昼食の食卓についた長崎コンビの次籐洋と佐野満が目を瞑って「頂きます」とは違う頭の下げ方をしてシンとした
「あぁそうだった」
次籐と佐野を見て、次々と他の合宿メンバーがハッと気付いて黙祷を捧げた
今日は8月9日。約40年程前の、約一時間程前…長崎に原子爆弾が投下された

その日の昼食の話題は、何となく、伝え聞かされたことのある戦時中のことや平和への祈りとなった。

「俺は難しいことはよく解らんタイ。けど…Jrユースに出られることが決まって、生まれて初めて飛行機に乗った時はワクワクしたもんタイ。飛行機はそげん乗り物であるべきタイ」
次籐が語った
「俺も…長崎に住んでいながら、親に言われるまで忘れちゃってることあるんだよ実は。でもさ、思い出した時は、こんな夏の青空がいつまでも楽しい夏の思い出の象徴であり続けますように…なんてね」
佐野が続けた。

「うん、技術の発展は人を幸せにするために使われないとね」
自分が目指す医学の知識が、残念ながら人を傷つけるために使われた歴史には心が痛む三杉の言葉は、しみじみと聞く者の心に響いた

8月の青空が、楽しい夏や素敵な青春の1ページの思い出を連想されるものであること
飛行機が、希望を運ぶ本当に格好いい乗り物であること
あらゆる技術が、人を幸せにするために使われること
もう一度、祈りを込めてから、改めて食べ物への感謝の心を込めて、みんなで「ごちそうさま」をした

その日の午後の練習は、なんだか連携プレーのタイミングが、合いやすかった。










8月の6日と9日の間にアップしました。
被害者のご冥福と、今後の平和を、心からお祈り申し上げます。