はい、ひと段落ついたので(←だからあんたはヘンな時に暇になるね)、続きいきます。
新田ちんエピソードが実は本命…(笑)
「新田瞬の場合」
浦辺センパイの裏切り者〜!!
「俺はバカだ」とか言いながら、補欠でとはいえ南葛高校に入っちゃったじゃんかよ…バカじゃなかったじゃんかぁ…
南葛高校…地元公立では二番目にアタマいい高校じゃんかぁ…
無理無理、俺には無理!!
高校で浦辺センパイとサッカーするのは無理かぁ…
南葛高校は、公立だしスポーツ推薦枠はない…しかも入ってからも試験のデキ次第ではインターハイに出られないなんて無理無理無理!!!
静岡大学を目指す(もっと上の大学目指す人も…)人と同じ試験なんて受けてらんないよ俺!!
「東邦学園高等部か…」
そこのスポーツ推薦を受けるという選択肢も…あると、担任教師に言われた…。
浦辺センパイと一緒のチームでプレイできないなら、対戦相手として…もありかなと、自分が東邦学園に進学した場合を思い浮かべた。
日向先輩は、同じセンターォワードとして尊敬するし、学ぶことは沢山ある。その日向先輩とツートップを組んでいる反町という先輩…選手としても尊敬できるし、それ以上に「あの」日向先輩とツートップが組める人間的柔軟性…吸収しておいて損はない。それに、俺だって、彼女がそろそろ欲しい…。その辺のアドバイスも的確にくれそうじゃないか?
若島津先輩も、魅力的だ。森崎さんも、優しそうでいいけれど…若島津さんには何と言っても華がある!!
ぶっちゃけ定期試験で、5教科合計点300点すらいったためしもない新田が、合格基準は模擬試験で 400点越えが目安とされる南葛高校に受かるビジョンなど到底浮かばない。
浦辺センパイと同じ高校行くのが無理ならばと、思い浮かべた東邦学園高等部に進んだ場合の魅力を思い浮かべて、「それも悪くない」というビジョンを固めようとしていた。
そんな中、新田に電話がかかってきた
「浦辺さんよ」
との母親のお告げ。浦辺センパイ…俺は…俺は…思いを告げるためにも、浦辺センパイの電話に出た。
……………
「あ〜、ココでこうなっちゃう気持ちは解るけどね…惑わされないで、基本の公式に忠実にもう一回解いてみて」
「最初は単調な暗記作業だけど、後少し乗り越えれば流れが見えてきて問題の答えも連動してくるから、頑張れ!」
今、新田の部屋には…南葛高校でも優秀な学業成績をおさめている岬と井沢が、家庭教師として詰めかけている。
あの時の電話で、「そりゃあ俺だって浦辺センパイと同じ南葛高校でサッカーしたいですよ…でもね」と言ったら、「『でもね』の中味は判ってる、俺と石崎もそうだった。解決策をよこすから、お前も南葛高校に来い!!」
と、浦辺に言われ…実際解決策として岬と井沢が新田の成績アップのために詰めかけるようになったのだ。
お互いサッカーの練習や試合もある中で、新田の都合と自分のスケジュールを合わせて…である。
そこまでされたら、新田も「岬さんや井沢さんに教えて貰ったことくらいは」と復習するし、「岬さんと井沢さんに出された宿題くらいは」と、頑張った。
結果…メキメキと成績が上がり、「これなら南葛高校イケるだろう」と、担任も頷いた。
無事南葛高校に受かり、真っ先に浦辺と、岬、井沢に「ありがとうございました!!」を言いに行った。
「ふふふ…キミを東邦に取られてしまうのは嫌だったからね」
岬がニッコリした
「え…どうして…」
南葛に行けないならむしろ…と思っていた内容が読まれた?
「まぁ大体解るよ、浦辺君から聞いたキミの話からして…ね。一年以上小次郎とチームメイトをやったら、キミも小次郎シンパになっちゃいそうだし…素直な後輩が毒されるのを防ぐのもセンパイの勤めだよ」
柔らかくて綺麗な…画像だけ見たら「天使の」と評されそうな微笑みだけど…
試合の勝ち負け以前に、この「岬」という可愛くて綺麗なセンパイの敵にならずに済んで良かったと、新田は心からホッとした。
南葛高校に入学してからも、浦辺センパイや石崎さんと共に、岬さんと井沢さんにテスト前はサポートして貰えるし…(♪♪)
「いいよね、タケシも新田もさ…」
どこからか、恨みがましい声が聞こえてきた…
「「佐野(さん)!?」」
タケシも新田も…受験も、入学してからの試験もサポートしてくれるセンパイがいる。
「次籐さんは勉強に関しては全く頼りになりませんよ!それでいて自身はギリギリ赤点を免れてるんですから…」
佐野が膨れ面をする。
「勉強の面倒を見てくれるセンパイがいるなんて…本当に東邦も南葛も後輩組が恵まれてるっつうの…そりゃあ国見は受験難度も授業料も高くないし…スポーツやりながらの勉強難度も高くはありませんがね、次籐さんがこなせてるくらいですからね、しかしね、俺だって勉強において頼れるセンパイの1人くらい欲しかったっすよ…俺なんてね…」
延々と、おそらく似たような内容を繰り返しそうな佐野…
「佐野、待つタイ、お前は水をの飲んでしばらく休むタイ!!」
次籐が慌てて佐野回収に来た。
「済まんタイ、水が入ったグラスと焼酎が入ったグラスを間違えたタイ!」
「もしかして佐野クンて酒癖が…」
「絶望的に悪かばい…」
みんな大変なんだな…
どうせどこへ行っても大変ならば…信頼できる浦辺センパイのいる南葛に頑張って入れて良かったなぁ…と新田は思った。
タケシは日向のいる東邦で幸せである
なんだかんだ言って次籐のいる国見以外は受験する気のなかった佐野
…後輩達は、尊敬するセンパイと出会えて、みんな幸せなのであった