ふうぇ…うわわわーん!
深雪は号泣した。
赤嶺真紀が、日向と若島津の間には入り込めないことを理解し、諦めた夜。
真紀は、爽やかに笑って敗けを認めて二人を応援するコメントを残して去った。
しかし、抑えきれない失恋の痛み。
真紀が泣けない分まで、深雪は激しく泣いた。
真紀ちゃん…泣いていいんだよ
失恋はこのくらい悔しいんだよ!
日向への恋が決定的になった日のように、
「泣け」
と言ってくれる者は、もう真紀にはいない。
いや、日向なら変わらずに言ってくれるし抱き締めてもくれるだろう。
しかし、妹のようにだ。
それを理解し、泣くのを我慢する真紀。
せめて、代わりに泣こう。
止まるまで、号泣を続けよう。
この子の幸せも見たい。
でも
今は…
泣き虫妖怪が離れてくれない
深雪の涙が当分枯れそうもない秋の夜だった。