スポンサーサイト



この広告は30日以上更新がないブログに表示されます。

学カル ネタ

 

学カル

「ちょっと待って! 今下に理事長いるんでしょ!?」

「理事長どころか母さんもいるがそれがなんだ。今君の目の前にいるのは僕だろう」

1年はクラスが同じ。

官僚って東大だとして理系なの文系なの…文系らしいぞ…シリコンバレーで起業ってどっちなの…理系なんじゃないかな…とにかくマシロさんみたいな高校生のいきいきした日常話読みたい。喫煙はしません!!!

名簿の時間に出てくる内部進学の子たとが集まったAクラスで、同級生な学カルで、マシロさんの小説みたいに爽やかなカップリング未満!(いずれ恋人になります)時系列でなくともよいのでは・・・?

4月 入学式

5月 中間テスト

6月 プール

7月 期末テスト、終業式(椚が丘は3学期制ぽい?)、夏休み、夏期講習

8月 夏祭り

9月 運動会

10月 中間テスト

11月 学園祭(またバンド?)

12月 期末テスト、カルマ誕生日、冬休み

1月 学秀誕生日

2月 バレンタイン、期末テスト

3月 修了式、クラス替え? 官僚ってどうなるの

【2、3年から悪口言われてる浅野を助けるカルマを知ってカルマへより関心を持つ浅野】

浅野が上級生から悪口を言われる

・新入生代表の挨拶を頼まれる(浅野とは同点だった)(なんでオレ?)

・學峯理事長退職したことで陰口か嫌味を言われる浅野(本人に言えばあ?)

・自分の陰口は知ってる浅野

カルマがそれをそんなことないって言うのを知る浅野

・これからおんなじクラスメートとしてよろしくねえ(瀬名泉かよ)

渚カル ネタ

渚カル

「春休みに海外旅行いこう!」

カルマはその手に二種類のパンフレットを持っていた。それは別にいい、いいのだが。

「なんでタイとモロッコなの!? 行かないよ!? いや行っても良いけど取らないよ!!」

くすくす、と笑うカルマだが、もし本当に渚が『取って』しまったら大層困るはずだ。主に夜。

もちろんそんなことは口に出さないが、渚はじとりと目を据わらせた。

「じゃあ渚はどこがいいのさ」

「なんで僕が我儘言ってるみたいになってんの……うーん」

カルマと海外に行くのは初めてではない。それどころか宇宙にだって一緒に行った。だが、きちんとした一般的な方法で海外へ出かける、というのは初めてだ。

タイやモロッコも素敵な国だと思うが、過去に散々揶揄されたせいでそこはかとない苦手意識がある。

インドはどうだろう。カルマは両親と一緒に何度か行ったことがあるのだったか。メジャーな観光地だけでなく、色々と案内してもらえるだろう。

そこまで考えて、けれど渚はうーん、と首をひねった。

青い海、白い砂浜、熱い太陽……南の島もすてきだ。が、気分ではなかった。もっとうら寂しい場所がいい……。

「渚?」

「え、あ。なんでもないよ」

「そう?」

「えーっと、アメリカとか? ハワイ、結局あんまりちゃんと観光ってしたことないし」

「アメリカねぇ。ハワイならいいけどシリコンバレーは絶対嫌」

「なんで?」

「浅野クンいるから」

「あれだけ広い国でエンカウントするほうが稀だと思うけど……てか観光でそこは行かないんじゃないの、普通」

「視察的な?」

「カルマも大概ワーカホリックだよね」

チェコ、プラハ。城、降雪、。ほっぺをむにっとつままれる渚。

「楽しくない?オレと一緒じゃいや?」

外国なのに一目を気にしている。 旅行中はスリに狙われて久々に暗殺の技術を使う。または因縁つけられる。渚が攫われる。(子どもだと思われる。日本人は童顔だし)

「修学旅行もだったけど!どうしてこうなるの!?」

「渚ってほんとに期待を裏切らないよね!」

「笑ってないで助けてよぉー!!」

巻東 ネタ

【巻東】

*

(2年の終わりくらいからすでに付き合ってる系(好きな子ほどいじめたい巻ちゃん)またはIH後にスピード付き合って(Hして)遠距離になって放置されて不安ででも表に出さない東堂さんぎゃんかわ・・・クリスマス休暇かイースターかで日光IH前に1回帰国してる・・・してあげてください

*もしもし荒北か?東堂のことよろしくな

*一緒にいられるだけでいいと思っていたのに。(あれ、なんか、苦しい)一緒の部屋にいられるのに、さみしい。

好きだ!全部の覚悟を決めてる東堂さん。巻ちゃんはオレが守る!

にょた(でなくてもいい)東堂は巻ちゃんと2回目をやりたいのに裕介君は尽八のこと大事に思ってるんだよって諭されて、いやらしくて汚いみたいに自己嫌悪する、男がやる気にならないとままならないセカンドキス

インターハイが終わってすぐ、巻島から東堂に連絡があった。滅多にないことで、とても浮かれた気持ちで電話をとったのを覚えている。

だってそれがまさか、渡英を告げる電話だとは思いもしなかったから。

【フリーフォール】

箱根から千葉まで300qあまりの道のりを輪行することも考えた。が、結局一番速く着けそうな電車に揺られている。

生まれて初めてセックスをしたのは付き合って1日目(現実味がないな。挿入には至れないな)、。吐くんじゃないかと思うほど緊張したし、あらぬところがめちゃくちゃ痛かったし、人生で一番恥ずかしかった。そこに至るまで散々悩んだ。でも、終わってから巻ちゃんが腕枕をしてくれて、「好きだ」とか「かわいい」って言ってくれて、最高に嬉しかったし、幸せな気持ちになった。

だから、セックスは、嫌いじゃないし、巻ちゃんとなら何回だってしたい。したい、のに。

「はあー…」

「ため息ついてんじゃネーヨ東堂、うっぜえカラァ」

「ウザくは…はあぁー…」

食堂で、荒北は東堂を見つけた。ちょうど彼の周りの席が空いていたのでトレイを置く。新開、福富もそれに続いた。

いつもなら荒北の軽口に乗ってくる東堂だが、箸と茶碗を手にしたまま再びため息をついた。いつもなら口うるさく突っかかってくる東堂の、あからさまに元気のない様子に荒北が眉をひそめる。

「どうしたんだい尽八、悩み事かい?」

「うむ…聞いてくれるか、隼人」

「イヤダっつってもどうせ勝手にペラペラ喋るクセに、どうしちゃったのォ」

「おまえには頼んどらん!」

最近巻ちゃんが冷たいんだ。東堂はそう呟いて話し始めた。

電話もメールもそっけない。色々と忙しいだろう。だけど。

「オレ、巻ちゃんに嫌われたのかもしれん…」

(やっぱり、男とヤるなんて嫌だったのか?)

さすがにその悩みを仲間に相談するのは憚られた。しかしそれは、東堂が巻島と初夜を迎えてから――その前からずっと抱えていた悩みだ。

巻島の趣味がグラビア鑑賞で、雑誌の収集癖もあることを知ったのは恋愛感情を自覚する前だった。中にはスレンダーなグラビアアイドルもいるが、巻島が好むのはバストが豊満な美女だ。勿論世の中には胸の大きさなど気にしない男性諸氏も多くいるだろうが、少なくとも東堂は巻島の嗜好はよく理解できた。

東堂だって男性だ。逆立ちしたって女子にはなれない。胸が大きいとか小さいとか以前の問題だ。

*別の話

「巻ちゃぁん!」

速度を緩めずぶつかってくる東堂の体を受け止める。巻島の薄い体は少しよろめいてしまった。東堂とは身長も体重もほぼ同じなのだから支えきれなくても仕方ないショ…と恰好つかない自分に言い訳をする。

「苦しいっつの、ちょっと離れるっショ」

「おかえり、巻ちゃん!」

腕の長さの分だけ離れた東堂が満面の笑みで告げる。可愛いなあ、と素直に思うが相手に告げることはない。しかし、ただいま、と返した声は自分のものとは思えないほど甘ったるかった。

「久しぶりの日本はどうだ?寒くはないか?昨日はお母様の和食を食べたりしたのか?」

「一気に聞くなッショ」

「すまんね!つい、興奮してね!」

悪びれる様子もなく東堂は終始にこにこしている。

渡英して4か月。クリスマス休暇を利用して巻島は日本に帰って来ていた。このことは金城と田所と、東堂にしか教えていない。金城、田所とは正月に初詣をして、受験の験担ぎをする約束をしている。東堂とはその前に、クリスマスを一緒に過ごす約束をしていた。東堂と恋人となってから、

ため息のポーズだけをとって、巻島は仕方なさそうに返事してやる。

「昨日の晩飯は和食っつ−か、普通に母さんのシチューだった。寒さは…あっちのほうが寒いくらいっショ。で、久しぶりの日本ってのは…別に…」

「別に?別にだと?ああ…オレは久しぶりに巻ちゃんに会えると思ってずっとわくわくしてたのに!」

実は放置されて不安だった

あのさァ巻チャン、東堂のことあんまりイジワルしないであげてねェ。尽八のことよろしくな。

巻(→→)←東 巻島さんが実は東堂さんに甘い、同じ二人、新開荒北に注意される

真東 ネタ

「東堂さんの髪の毛いい匂いしますね」

不意に真波が顔を寄せた。耳元で、スンスンと匂いを嗅いでいる。距離が近い。何より恥ずかしい。

「と…当然だな!美形はいい匂いがするものと相場が決まっている!それにオレのシャンプーはうちの大浴場に置いてあるシャンプーと同じで、お客様にも評判のとてもよいものなのだ!」

「へえ、そうなんですか?ちょっともう一回嗅がせてください」

「ヒッ」

ファンライドが10月にあって、11月〜12月がもだもだして(両片思いみたいな。不意打ちのちゅーとかいいね)、クリスマスから付き合いだして(一般的なイベントからでもいいじゃない)、冬休みは会わずに過ごして(寮生は実家に帰るから旅館の手伝いで忙しい東堂さん)(初デートしていてもかわいいからいいけれど)、でも元旦にメールだけ届いて付き合ってる実感が少しだけあって、3学期(箱学は3学期制じゃないかもしれないが)になったらセンター終わったら実質自由登校?東堂さんは大学進学じゃないかもしれないが…ちゅーは済ませてる、せっせせは2月の山神パーティー後、卒業式前(真波が会いたいってせがむのかわいいね)、箱学は私立だけど卒業式は3/1(私立は2/28が多いとも限らないようだし)

参考:センター試験1/17 国公立前期試験2月末、合格発表3月頭、中期・後期試験は3月、発表は3/23くらいまで

4月の新玉ねぎのサラダ

【真東】

19で転がり込む

「なんかいちいちアパート帰るのも面倒くさいし。いっそのこともう一緒に暮らしちゃいません?」

「いや待ておまえがそれを言うのか。ここオレの家なんだが」

「だめですか? ちゃんと家賃とか生活費とか入れますから。折半しましょうよ」

「……」

巻ちゃんが帰ってくる やきもち真波

*真波におねだりする東堂さん。おねだりの内容がささやか。くっつくまで相談に乗る。だんだん赤裸々な内容になっていく。ツラァ・・・

東堂さんが引退してから意識する真波…にょたでなくてもいいかも。恋愛対象として意識する真波…ファンライド後でもいい。

*背筋を伸ばすストレッチ、ボディタッチ過剰注意される、羨み、そんな目で見てないし見てほしくない神様だからあの人たちと同じだ、同じじゃないよ、真波。おまえはわたしを尊重してくれる。そんちょうってなに?辞書を引け。好きでいてもいい?いいよ。(おまえがもう少し大人になるのを待っているよ)

「ンっ…!」

あ、今こっち向いたな。

東堂さんとペアになってストレッチをしてると、たまにこういうことがある。仰向けになった東堂さんの片足を、胸につくくらいまでぐーっと押す。太ももの裏の筋肉がぐーっと伸びる。東堂さんの体はオレたち男よりはずっと柔軟だけど、そうは言っても限界まで押すとさすがにちょっと苦しそう。そういう時、他の部員の視線をちらっと感じる。

「ごめんなさい、痛かったですか?」

「ばか。真波、もっと優しくしろ…!」

「すみませーん」

今度は反対の足の膝裏あたりを押さえて、そのまま体重をかける。うーん、肌すべすべだな。

胸につきそうなほど脚を伸ばしたら、東堂さんはまた苦しそうに息を吐き出した。

「っふ……ぅ」

ただのストレッチ、だ。思わず漏れる声も、つらそうにゆがむ表情も、当たり前のことだ。でもそれが、東堂さんだというだけで、たった一人の女子部員だというだけで、なぜだか妙に色っぽく映るもの、らしい。

おまえは東堂先輩に触りすぎだ、と注意されたことがある。

荒北さんの背中に飛びついたって注意なんか別にされないのに、東堂さんにはしちゃ駄目だと怒られた。大好きな先輩に構ってもらいたいだけなのに、東堂さんが女の子だからって、どうしてそんな目で見られなくちゃいけないの。

東堂さんってすごい人だ。こういう時、ほんと日本語って難しいなって思うけど、とにかく東堂さんはすごいのだ。まっすぐに、ぶれないで、誰よりも速く山頂を獲る。あんまり普通にそれをするから、誰にでも出来そうなことに見えるのに、あんな静かな走り方は他の誰にも真似できない。オレよりずっと華奢な体で、筋肉だって少ない脚で、ペダルを回して回してそして、いつだって頂上で笑っている。

おまえは東堂先輩に触っても許されるからいいよな、と羨ましがられたことがある。

さすがにおっぱいとかお尻とか、アウトなところは触ってないし。っていうかあなたたちみたいな、いやらしい気持ちで東堂さんを見ているわけじゃないから一緒にしないでほしいし。何より、オレの大好きな先輩を、そんな汚れた目で見てほしくない。

「おい、もういいぞ。交代しよう」

「はぁい」

「おまえ全然集中していないな?何を考えていた?」

「ええー東堂さんのことですよー」

「嘘つけ!」

今度はオレが仰向けになる。覆いかぶさる東堂さんがグイグイ脚を持ち上げてくるからギブギブ! って本気で悲鳴を上げる。ひどいよ…。

見上げる顔は多分、本人が言うように美人なんだろう。オレだってそりゃあ東堂さんの顔はキレイだとちゃんと思ってる。(けど、今みたいに意地悪そうに笑った顔は好きじゃないんだから!)

でも、自信過剰なくらいに大きく口を開けて笑うところとか、オレを褒めてくれるときの目付きが優しいところとか、そういうところは全部好き。

「真波?」

男以上にカッコいい東堂さんもやっぱり女性なんだ。

*ピンクの服見たいな、ピンク…は、似合わんだろう…にょた。

*風邪ひいた東堂さん

*巻東←真波

*寮に泊まる真波、2人で寝てるところを目撃されるし慌てるけど、当たり前だろ、しょうがないよ客用布団ないし、みたいな反応されて拍子抜けする。

*まなみ、と呼ぶ

真東 未完

部活を引退した俺たちと、寮生でもない真波が、学内で会う確率はそう高くない。だから久しぶりに会った末っ子に、思わず手を振って愛想を振りまいてしまったのは仕方のないことだ。部活の後輩は皆いい奴ばかりだけれど、やっぱり一緒にインハイを戦った後輩のかわいさはひとしお。しかも俺が声をかけた途端、ぼけっとしていた表情がぱっと笑顔になってコッチに駆け寄ってきたりするもんだから、なんていうかもう、かいぐりかいぐり撫でまわしてやりたくなる。で、実際やったら痛いです〜なんて嫌がられちゃったわけだけれども。隣の靖友には白い眼で見られた。おいおいなんでひいてるんだよ、お前さんだって本当は、結構真波に目をかけているくせに。

ボッサボサになった髪を手櫛で整えてやって、昼飯を一緒に食わないかと誘ってみる。真波は母親の作ってくれた弁当を提げてへらっと笑った。

寿一と尽八はいない。別に示し合せてるわけでもないから、こういう日はたまにある。

「なんとなく、いつも四人一緒にいるもんだと思ってました」

「まあ、四六時中べったりしてるわけじゃあないな」

「女子じゃねえんだからヨ」

「そっかぁ。そうだよね」

頷いた真波のアホ毛がぴょこんと揺れる。

今日のランチメニューはカツカレー、ヨーグルトサラダ、ゆで卵、カットオレンジだ。給湯器から真波の分までお茶を汲んで持ってきてやる。素直に礼を言う真波の弁当箱の中身は白いご飯に梅干し、唐揚げ、玉子焼き、お浸しにプチトマトだった。唐揚げは昨日の残り物らしい。それで足りるか、と聞いたら、パンも持ってきてます、と返ってきた。そりゃそうか、じゃなきゃ朝練して授業受けて、部活して晩ご飯までもつわけない。

案外きれいな使い方をする箸をふと止めて、真波がその大きな目で俺たちを見上げる。

「新開さんと荒北さんに相談があるんですけど」

「ん?」

「アァ?」

カツを咀嚼してる俺に変わって靖友が続きを促す。

「なんだヨ、部活のことォ?」

「いえ」

「じゃ、ナニィ?」

「えっと…あの、オレ、東堂さんが好きみたいなんです。どうしたらいいかな」

「……」

「……」

唇をへの字に歪ませた靖友と目が合う。ようやくカツを飲み込んで、それでもすぐには次の言葉が出てこなかった。真波は困ったように眉を下げて、手でプチトマトを摘まんだ。赤色から黄色への小さくも瑞々しいグラデーションが、問題発言をかました口の中へ放り込まれていく。先に我に返ったのは靖友だった。

「お前、ホモだったのォ?」

「そうなのかな? よく分かんないです」

「どうしたらいいかなって…どうしたいんだ? 付き合いたい、とか思ってるのか?」

「うーん」

話題が話題だけに気持ち声を潜めてぼそぼそ喋る俺と靖友に対し、当事者の真波はけろっとしたもんだ。冗談か? とも思ったが、あまり真波がこの手の冗談を言うタイプには見えない。しかも具体的に尽八の名前なんか出されちゃ、からかうにもからかえないじゃないか。

「あんまり、付き合いたいとか、考えたことないです。でも、一緒にいられるのは嬉しいし、楽しいし。ロードに乗ってなくても、東堂さんと一緒にいたいなって思います」

箸をケースにしまって弁当を片づけて、俺が汲んだお茶を一口飲んで、真波がほっと息をついた。俺もはっとして、止まっていた手を動かしてフルーツを口に運ぶ。靖友も難しい顔をしながらカレーを平らげた。その時。

「あ、東堂さん!」

真波の弾んだ声に振り向くとトレイを手にした尽八と寿一が立っていた。

「なんだお前たち、もう食べ終わったのか」

「早いな」

「フクちゃん遅いから食い終わっちまったヨォ」

「ちゃんと30回噛んだか、真波!」

「はーい」

自然な流れで寿一は俺の隣に、尽八は真波の隣に座った。さっきあんな話を聞いたばかりだから、俺のほうが妙にどきっとしてしまった。真波はいつもどおりににこにこしているだけなのに。

「東堂さん、オレもカツ食べたい」

「む……お前今日は弁当だったんだな」

あーん、と雛鳥みたいに開いた真波の口に尽八が一切れを突っ込む。あ、間接キスだな……なんて中学生みたいなことを考えてしまい思わず目を逸らした。隣で靖友が面白くなさそうに鼻を鳴らしたから、もしかしたら同じことを考えてたのかもしれない。

「旨いか」

「はい! ありがと、東堂さん」

おいしさを目いっぱい表現する真波に、尽八が満足そうに微笑む。

困った。困ったなあ、真波。

お前さんはかわいい後輩だから、味方をしてあげたいんだけどさ。

(――隼人、絶対、誰にも言うなよ)

秘密だからなって、約束しちまったんだよ。

特別棟の廊下から見下ろした中庭に、真波が寝転がっていた。一番目に気づいたのは尽八で、中庭に足を向けたのも尽八だった。昼休憩を取る生徒たちの合間、落葉しかけたハナミズキの木陰に設置されているベンチまで、尽八は早足で近づいていく。それでも、木漏れ日を受けて真波はすやすやと眠りこけている。

「真波、起きろ」

「ん……」

「真波」

しゃがみ込んだ尽八がそっと真波の額を撫でる。今から起こしてやるにしては、随分そうっとした仕草で、妙に俺の印象に残った。

「なぁに、いいんちょ……じゃないや、東堂さん…? それに、新開さんも」

「おまえな、昼休みだからってあまり気を緩めすぎるんじゃない。五時間目の授業はなんだ? 遅刻なんかするなよ。だいたい、伝統ある箱学の自転車競技部でレギュラーを張るなら文武両道くらいできなくてどうする。ましてや普段の生活態度からそんなんでは部活動への参加を制限されることもあるんだからな。甘えてるんじゃないぞ。おい、聞いてるのか」

「東堂さんのお説教はもういいよー」

「誰のために説教してると思ってるんだ!ったく可愛げのない……」

「授業サボんのは仕方ないけど、寝すぎて風邪引くなよ」

「はぁい、新開さん」

「こら隼人!!」

鞭使いの目の前で飴玉をやったら怒られた。俺がわざと甘やかしたのを分かって真波は笑ってるんだろう。その柔らかそうな頬に、赤く衣服のあとがついていた。

しょうがないなとため息をついて、立ち去ろうとする尽八のブレザーの裾を真波が掴んだ。

「東堂さん、今日部活来る?」

「いや、そう頻繁に顔を出しては12年の邪魔だろう。もう引退した身なんだし」

「えー来てくださいよ。黒田さんも、メニュー見てほしいなあって言ってましたよ」

「……おまえが5時間目と6時間目をサボらなかったら考えてやろう」

「やった!」

真波は兎が跳ねるみたいにぴょんと起き上がる。大きな瞳がきらきらして、尽八のことを真っ直ぐに見つめる。

「ぜーったい、約束ですよっ」

かわいいなあ、と思う。同時に、眩しいなあ、とも思う。あんなに熱烈な憧憬の眼差しを送られて、あんなに真っ直ぐ後輩から好意を向けられて、嬉しくない先輩なんているもんか。尽八なんてオレ以上に真波に目をかけているんだから、もっと嬉しそうにしたって良さそうなのに、なんでそんなにさっきから、困ったような顔ばっかりしてるんだろう。

「またあとでね、東堂さん!」

大きく振られた手に、反射的に手を振りかえしてから思わず身震いする。初冬といってもいい季節の中庭は寒い。本当に、こんな所で真波はよくうたたねできていたものだ。明日はカーディガンを準備しよう。

参考書のページを捲る音かシャーペンで字を書く音くらいしかしなかった自習中の図書室に一年生が集団で入ってきた。何の授業の一環だか知らないが、うぜェ。邪魔すぎる。ぽつぽついる三年を多少は気づかって声を潜めているようだが、その囁きすら騒々しいというのに。

「機嫌悪そうですね、荒北さん」

「オメーのせいだよ不思議チャン」

舌打ちに怯みもせず、真波は俺の隣に引っ付いた。テーブルに肘をつきノートを覗き込む。おいこらどっか行けよ、と脅してみても、不思議ちゃんはえへえへ笑ってちっとも退散しやがらない。

前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2024年05月 >>
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31