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「ちゃんとやんねん」「緊張なんかする意味がわからん」 「反復・継続・丁寧」(北信介)
多発性骨髄腫 MM
血液のがんのひとつ。
骨の中の骨髄にある形質細胞ががん化する病気。
形質細胞は免疫グロブリンを作るという重要な役割があるが、がん化した形質細胞=骨髄腫細胞は正常な免疫グロブリンを作らない。しかも体に悪い影響を与えるMタンパク=異常免疫グロブリンを過剰に作る。
【症状】CRAB クラッブ
C…高Ca(カルシウム)血症
R…Renal 腎障害
A…アネミー 貧血
B…Bone 骨障害 骨折
高カルシウム血症;壊された骨のカルシウムが血液内に溶け出す。意識障害、多尿、脱水、口喝、便秘、易疲労感、脱力感、腎障害、嘔気
貧血:赤血球の減少。易疲労感、動悸、息切れ、脱力感
腎障害:骨髄腫腎、高カルシウム血症などにより腎障害が起きる。また、Mタンパクには腎毒性がある。浮腫、嘔気、頭痛、食欲不振、無気力
感染症:白血球減少、正常な免疫グロブリンの減少。易感染状態、怪我が治りにくい
過年調症候群:Mタンパクが血液中に大量にたまり、血液が粘り、血液の流れが悪くなる。意識障害、眼底出血、腎障害、めまい、頭痛、痙攣
アミロイドーシス:繊維構造をもつタンパク「アミロイド」が様々な臓器に沈着する。腎臓や心臓の障害、心不全、巨大舌
ダラザレックス使用マニュアル
ダラザレックス…一般名ダラツムマブ。ヒト型IgG1kモノクローナル抗体で、CD38に結合し、抗腫瘍効果を示す。このCD38は赤血球幕表面にも低発現している。
【効能・効果】再発または難治性の多発性骨髄腫
【投与の流れ】
<<DLd療法の場合>>※詳細は投与経過表参照
ダラザレックス+レブラミド+レナデックス
1サイクル4週間の治療を繰り返す。
・ダラザレックスは1週間に1回投与
・レブラミドは21日間内服
・レナデックスは注射当日と翌日に内服
??体重測定、尿測??
<初回>
・前投薬が内服の場合、7時に内服(内服の場合、開始3時間前が推奨のため)
・前投薬が点滴の場合、9時30分に投与(点滴の場合、開始1時間30分前が推奨のため)
・心電図モニター、Spo2モニターの装着
・医師に血管確保してもらう
・フィルター付きルート(PVCフリー)、輸液ポンプを使用する
・医師に流量の確認を行う。初回は基本的に50ml/hで開始し、1時間に50ml/hずつ速度を上げ、最大は200ml/h。
・初回の検温は2時間ごとに行う。インフュージョンリアクションがあり、翌朝までかかる場合は各勤務1〜2回の検温でよい。
・インフュージョンリアクションは開始3時間以内が最も出やすい。投与を一時中止して医師に報告する。再開する場合は、症状発現時の投与速度の半分以下が基本流量。
・ダラザレックスは調剤し15時間以内で使用する。室温保存でよい。
・イリタント分類(炎症性薬剤)。血管外漏出時は投与を中断し医師、薬剤師へ報告する。
・翌日の深夜帯で異常なければ心電図モニター除去する。
<2回目>
・初回にインフュージョンリアクションが有ったか、何ml/hで出現したかを確認する。
・終了時に心電図モニター除去するが、インフュージョンリアクションが有った場合は医師へ確認。
・初回で3時間以内にインフュージョンリアクションが無ければ50ml/hから開始する(生理食塩液希釈総量500ml)。
・初回で3時間以内にインフュージョンリアクションがあれば、希釈総量1000mlになる。50ml/hで開始かどうかは医師へ確認する。
・インフュージョンリアクションが無い場合、3回目の治療は外来で施行する場合もあるため、患者がダラザレックスIDカードを持っているかを確認する。持っていない場合は薬剤部へ問い合わせる。
<3回目以降>
・初回及び2回目に、100ml/h以上でインフュージョンリアクションが無かった場合、3回目以降は100ml/hで開始することが可能。
<<DBd療法>>
ダラザレックス+ベルケイド+デキサメタゾン
【輸血に関して】
・治療中及び最終投与から6か月以内に輸血する場合、間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)及び交差適合試験において、偽陽性を示すことがある。
【オーダーが入ったら】
・薬剤指導
・レジメン確認
??メイン点滴??
・レブラミドの処方、レブメイトについて薬剤師から指導
・前投薬が内服薬なら処方されているか、点滴ならアセリオ・ポララミンがオーダーされているかを確認
【その他】
・必要度A項目…抗悪性腫瘍薬の注射、抗悪性腫瘍薬の内服(DLd療法でレブラミド内服する場合)、心電図モニターの装着
・インフュージョンリアクションは特に呼吸器症状の発現頻度が高い。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の既往歴に注意する。
カイプロリス(毒薬)
対象:再発または難治性の多発性骨髄腫
特徴:1か月でM蛋白を減少させる高い治療効果。しかもベルケイドのような末梢神経障害や下痢の副作用が少ない。
合併症:心不全、肝機能障害、腎不全。血液毒性(血小板減少による紫斑。リンパ球減少によるヘルペスや帯状疱疹。貧血)、高血圧(投与初期からなりやすい)、薬疹、脱毛、嘔気、インフュージョンリアクション
【レナデックスおよびデキサメタゾン併用の場合】Kd療法
・レナデックスは毎朝8時に内服
・1コース目の1日目、2日目のみはカイプロリス20mgずつ。8日目、9日目、15日目、16日目はカイプロリス27mgずつ投与。
【オーダーが入ったら】
・薬剤指導(クラークさんに依頼)
・レジメン確認(メイン点滴は5%ブドウ糖500mlで、側管からカイプロリスをポンプ投与)
・レナデックス処方
・クラリチン、カロナールは不要
・初回3日間はモニター。次回からはモニターは当日のみ(外来ですることもある)
・体重2検、8時間尿測
・血圧180以上でコール
※尿量600ml以下かつ体重+2.0sはラシックス使用。
・必要度:抗悪性腫瘍の注射剤、モニター
【血管外漏出時】
マニュアル確認し、医師、薬剤師に報告。冷却!炎症性薬剤のためザビーンは不要。
【観察】
・刺入部の観察
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