前回のひとりごとから…

紺碧髪の彼女と話していると

……なぜだろう

…ココロが軽くなってくる気がする………


彼女との対話はつづく…





「わたしもぉ 騎士やる前は修道士やってたからぁ♪
キミも そうなのかな?って」


……………



「…たしかに……最初の職業は修道士だった…………」



驚きを隠せない



「そっか〜 わたし達
おんなじだねぇ〜♪」



屈託なく彼女は笑った…



「…なぜ修道士を辞め
騎士に?」



ワタシは疑問を口にした



「んーとね 修道士の限界を感じたんだよねぇ…
修道士って 体力 低いよね これじゃあ 他人を助ける前に わたしが 死んじゃう だから体力のある職業
騎士を選んだわけ…
“スキル”も 他人(ひと) を助けられるモノがあるしねぇ…」



……ワタシはうなずく
そういう考え方も
あるのかと………



「騎士になっても修道士の 回復スキル(アルカナ) 使えるし……」



……!?



「…騎士なのに杖を?」



他人を唯一癒せるスキル “アルカナ”
回復アイテムの存在しないこの世界では 重宝されるスキル…

しかし 杖を装備しないと 使えない

杖の物理攻撃力は低い……だから杖を装備すると
いうことは
戦闘が長引き 死ぬ可能性が高くなる
戦闘は盾(まもり)より矛(こうげき)なのだ………



「…杖? を振る騎士!!」



思わず うめいてしまった
それまで 考えた事もなかったから……



「そっ♪ 他人を癒し仲間のために 盾になれる騎士
聖騎士(パラディン)ぽいでしょ」



彼女はイタズラっぽく
笑った…


…ワタシは うなずくしか
なかった

彼女は ちゃんと考えて
行動してる

ワタシのように
行き当たりばったり
ではなく……



「別に 転職は 恥ずかしい コトではないよぉ…
あらたなスキルも
覚えるしぃ
手札は 多いほうがいい…
ソコから 何を選ぶかは
きみ しだい だよ♪」



彼女は片目をつむって
微笑んだ……

いい笑顔だ……
今のワタシには
眩しかった…

いつか ワタシも……
いや
無理かな…
ワタシは自嘲気味に
唇の端を
歪めるに とどまった…



「おっ!!
冒険者が集まってきた
そろそろ 行こうかねぇ?」

彼女は砂ボコりをはらい
立ち上がると
前へ進んだ…



「あっ 迷い事が あるなら
占星術士に なってみたら?
何か つかめるかもぉ〜」



振り返り そういう言葉が
聞こえた……



今度は 転ばないよう
ゆっくり急ぎ

オニの方へ走った………