ある冒険者のひとりごと……15 ボンドについて その3

前回のひとりごとから……

ワタシ達はシュリンガー公国にある掲示板のボンド募集の中から 気になるボンドに入会申請をした……




「ねぇ きみ…そろそろボンド掲示板をのぞいても いいかも…」


申請をした翌日パートナーがワタシに声をかけてきた……


「……しかし…あんな書きこみをして ボンドに入れてもらえるだろうか?」


日替わり依頼を終わらせ
遅い昼食を取っている最中である……

パートナーが錬金合成したドフィノワーズで軽く済ませる……
これはジャガイモ 牛乳 ガーリックで合成出来る…


「なんて 書きこんだの?…」


「…うん ……冒険を始めて200日あまり ワタシ達は
個人で やって来た…今さらボンドに入ってやって行けるだろうか?……と」


「まったく……きみらしいね……」


パートナーがため息まじりに答える……


「……これで 入れてもらえたら よっぽどモノ好きなマスターだね」

「入会がゆるされたら そのボンド だいじにした方がいいよ……


わたしは きみと二人っきりでも かまわないけど…………」

最後の方は指を後ろに組みもじもじ しながら小声に なっていた……



「……わかった きみの言う通りだ……入会出来たら
大事にしよう…」




そしてワタシは精神を集中させ メニュー項目に心を繋げ(リンクす)る 頭の中にイメージが浮かび その中から フレンドの項目を開く ……ボンド掲示板に心を集中させると 掲示板の書きこみが頭の中に観えてきた……


「……どぉ?」

パートナーが聞いてくる…

…!!

「入会…だいじょうぶみたいだね……」


「……あぁ…」


「よかったじゃない……

入会した人は お礼を書きこんでるみたいだね…
きみも書きこんだほうが いいんじゃないかな……」

「…なるほど そうすれば失礼にならないな……」


[お誘い ありがとうございます]っと……


ひとまず安心する


「それから ボンドに入ると“ボンドチャット”が使えるよ…」

「…?……それは?」


「これはね ボンドに所属しているメンバー同士なら
どんなに離(はな)れた場所にいても会話ができるんだよ…
しかもこの会話はボンド以外のひとには見えないんだ…」



「……ほぅ そんな事が
なるほど知らない事ばかりだな……」

パートナーの説明に関心する……


ワタシはボンドチャットに意識を向ける……

ボンドマスターとボンドメンバーの1人が会話しているのが見えた

防具の譲渡について話しているようだ…

ワタシは知っている事を
書き込んだ……






……それから数日が過ぎた

ボンドチャット内でマスターとは何回か会話をしたが いまだに姿を見たことがない…顔はおろか性別すらわからないのだ……

ボンドに入ったら直ぐに顔見せの儀式があると思ったのだが……
他のメンバーとも会話をした事がない……
20人以上いるらしいのだが……

そのまま1週間が過ぎた…

「何か変だよ このボンド…」

ある日パートナーが不安げに聞いてきた


「…そうだな 聞く話によると ボンドとは賑(にぎ)やかで楽しく メンバー同士で集まって話をしたり狩りをしたり… するらしいが……」


「それに見て 数人のメンバーしかボンドにinしてない…」


そうなのだ フレンド項目に“ボンドメンバー”がある ここを見れば ボンドにいつ顔を出したかが
おおよそ解る…
中には1週間顔を出していないメンバーもいる……


いつの間にか名前の消えたメンバーもいた……



そして……ボンド掲示板に
突然ですがボンド抜けます
短いあいだでしたがありがとうございました

という書きこみがあり

その人は 数日後 居なくなってしまった……



「……これは マズくない?」


「……そうだな マズいな…」

……ワタシは
このボンドの行く末を憂いた………

ある冒険者のひとりごと……15 ボンドについて その2

前回のひとりごとから………


日替わり依頼 “ボンドに寄付しよう”を済ませ
ワタシ達はシュリンガー公国城前 2本サクラの咲く円形広場にまで戻ってきた……





「ねぇ…掲示板を のぞいてみよう?」


パートナーが誘(さそ)う……


「……そうだな 少し見ていくか…」


特にやることも無いワタシは覗(のぞ)いてみる事にした…………




「うゎぁ〜 いっぱい書きこみがあるね…」


「……そうだな…」



自分の存在を訴えるモノ 達成の報告
神へのお礼 神への冒涜(ぼうとく) 人捜し 探し物 顔文字…
…実に様々(さまざま)な書きこみがあった……


「……特に必要な情報は無かったな…」


「う〜ん……そうだね…
そうだ ボンド募集のほうも のぞいてみようよ」


「……?
……なぜ?
ワタシはボンドに所属するつもりは無いのだが?」


「うん しってる きみが 他の人が苦手なのは…」

「きみとは もぅ230日 いっしょにいるから たいていのことは わかるよ……」


「なら 何故(なぜ)? 今さら……」


「う〜ん これまでは ふたりで 何とか やってこれたけど……
これから先 ふたりで やっていけるか わからないよ
それに“この世界のことをしりたい”って言ったよね?」


…!!


「ボンドに入ってみるのもいいんじゃないかな?」


「………むぅ…」

ワタシは考える……
確かにボンドには まだ入ったことは無かった………
ワタシは まだボンドがどういうモノか知らない……
知識を欲する者として識(し)らなければ…………


「……君の言う通りだ
“この世界を識(し)りたい”
この気持ちに変わりは無い……」

「……また 君に教えられたな……」



「ふふ きみの そういうとこ だ〜い好き……」


パートナーから満面の笑みがこぼれる…



「やはり 君は 可愛いな……」

思わず口に出てしまう…


「もぉ……バカ…」

白い頬(ほほ)を赤く染め
パートナーは俯(うつむ)く…

その仕草(しぐさ)の可愛いさを見て 彼女に選ばれて良かったとワタシは心底思った……



「そんなことより 掲示板!」

照れ隠しなのか語気が荒い……


「…あ あぁ……そうだった」

怒った顔も可愛いなぁ と見とれている場合じゃない
ワタシは掲示板を覗き込む……


「へぇ〜 いっぱい あるんだ…」

ワタシの左に立ちパートナーが覗き込む……



「…う〜ん こんなにあるとどこに入れば いいのか
困るよね」


「……そう だな…」

とにかく数が多いのだ…
更新釦(ボタン)を押してページを進めるのだが 後戻りが出来ない…
気になったボンド名を見付けても更新釦を押すと
再びそのボンド名を見付けるのは困難なのだ…

何度か更新釦を押した後(のち) ワタシは あるボンド名が目にとまった……

“君の物語”

何か 心ひかれる モノがあった……


「…えっと “君の物語をつむぎだそう”……

これに ……するの?」


大きな瞳を まんまるに開いてパートナーは訊(たず)ねる………


「…あぁ これにする
何か気になるんだ……」


「ふ〜ん きみがココにするなら わたしはかまわないよ♪」


「なんだか 嬉(うれ)しそうだな……」


腰の後ろで手を組み ワタシを見上げるパートナー


「…べつに (^ロ^;……
新しいことの はじまりだね…」


「…そうだな 何を識(し)り 何を得ることが出来るのか…
楽しみだな…」


「うん♪ 行こう 新しいせかいへ…」




ワタシは掲示板にボンド入会申請を出すと シュリンガー公国を後にした……

ある冒険者のひとりごと……15 ボンドについて その1

・・・ボンドとは“絆(きずな)” 他人(ひと)と人(じぶん)を繋(つな)げるモノ その中ではそれ以外の他人を寄せ付けないモノ………






ワタシはパートナーと共にシュリンガー公国を訪れていた……
日替わり依頼の1つ“ボンドに寄付しよう”を達成する為である……
長い石段を登り 山中にあるシュリンガー公国の巨大な門をくぐる…
巨大な扉は固く閉ざされており その扉に設(もう)けられた小さな扉をくぐり抜け城前通りに入る……
通りの左右には建物が並ぶ……
門から入ってすぐ 通り左側に酒場が存在(あ)るためか時間帯によっては冒険者(ひと)で ごった返す…

ワタシ達が訪れたときは
町人(まちびと)が数人 通りに出ているだけで静かなものだった………

町は雪が積もり見上げると寒々とした曇天(どんてん)
この国の 何時(いつ)もの風景に思わずため息がでる……

この雪は永遠に溶けないのではないか?…
この曇天は二度と晴れることは無いのではないか?…

そんな陰鬱(いんうつ)な気分になるのだ……


通りを進み突き当たりの石造りづくりの坂を上がるとシュリンガー城前 円形広場に出る
ここにはサクラの巨木が2本植えてあり この寒さの中 満開の花を付け この国の名物となっている………
まっすぐ進むとシュリンガー城……
右に進むと市場と貸し倉庫のある広場に……
左に進むと目的の教会がある……

ワタシ達は教会の扉を開け風琴(オルガン)の奏でる 厳(おごそ)かな空間へ歩(ほ)を進める……

「…元気? わたしは元気よ……」

入り口に立っている少女が声をかけてくる……

「……あぁ 変わりないか?」

「こんにちは 元気にしてるね……」

ワタシ達は少女に声をかける………

……以前 ワタシ達が助けた 魔物に両親を惨殺された記憶を封印した少女だ
ワタシ達を両親と慕(した)う事で悲しい記憶を乗り越えたのだ……
ワタシより頭1つ背が高いがワタシ達の娘とゆうことになっている……

彼女と世間話をした後
この教会の神父と話をする……
彼女の事 この国の最近の情勢等……


そしてボンドの拡張とゆう名目で ワタシは自ボンド“ちいさな夜歌”にZellを寄付する……
“ちいさな夜歌” 彼女を娘にしてから 養育費として
毎回1000Zellを寄付し続けている……

無論 自分のボンドにメンバーを募集するつもりはない……

これはワタシ達と彼女のモノだから………



寄付が終わり 神父から 金の水を受け取り
ワタシ達は教会を後にする………
ワタシ達の娘が手を振って見送る……

「また 会いに来て……」


「……あぁ また来る」

「元気でね……」



ワタシ達は別れを惜しみつつ 2本サクラが咲き誇る円形広場にまで戻った……

ある冒険者のひとりごと……14 エリアボスにて 後編

前回のひとりごとより……

ワタシ達の目前に
エリアボス コノミグランマが出現(あらわ)れた……


………………


今なら まだ引き返せる
後ろの 帰還ポイントに触れるだけで 元の世界へ帰れるのだ………


ワタシ達は しばらく グランマとにらみ合いを続ける……
魔物の間合いに入らぬ限り戦闘は始まらない……


「……どうする?」

パートナーがワタシを見上げる……
頭頂部で左右に分けた灰白色の髪が不安そうに風に揺れている……


「……修道士(モンク)として戦って以来 ワタシは色々な職業を習得してきた……
今回は聖騎士(パラディン)として再挑戦……どちらも神に仕える職業……皮肉なものだな……」


「…………」


「……コノミグランマ
倒さなければ ワタシは前に進めない気がする………
ワタシのワガママに付き合わせてすまない………」


「…………………」


「ワタシが倒れたら すぐさま脱出してくれ………
最後に祈りをささげたのは連邦 城塞都市 入り口にいる修道士だったはず そこで再会しよう………」



突然!パートナーがワタシを正面から抱きしめ


「……だいじょうぶ
きみは 負けない……
わたしが いるから……」

「負けることは 恥ずかしいことじゃないよ………
戦わないことが恥ずかしいことなんだよ……
……だから わたしに謝(あやま)らないで………いっしょに戦おう?」

ワタシの胸に顔を埋(うず)めたままパートナーが語りかける………


「……わかった 共に生還(せいかん)しよう…」


パートナーの言葉に勇気づけられ …ワタシは……ワタシ達は一歩 踏み出した……コノミグランマの間合いへ………





………戦闘が始まった
ワタシは聖騎士のスキルを駆使(くし)して戦う
パートナーも攻撃力上昇
攻撃 回復 相手の攻撃防御下降と スキルを駆使する

しかし 伊達にエリアボスに君臨しているだけあって簡単には終わらない…

戦闘は長引く………


特にワタシは聖騎士(パラディン)の特性で相手の攻撃が集中する……
一次職を全て習得し攻撃力 防御力 共に上がっているはずだが………
ワタシの攻撃は相手に届いているのか……
それに相手の攻撃を受けると キツイ……
自己回復スキル“プネウマ”でなんとかしのいでいるのが現状だ………


まだ ワタシ達には早すぎた挑戦だったか?

あきらめの心がわき上がる……

「しっかりして!!

心をつよくもって!

あきらめないかぎり先に
進めるよ!!」


ワタシの折れそうになる心を知って パートナーが発破(はっぱ)をかける…


……そうだった 強い思いは人を魔物に変えるし時間だって越えられる……
これまで 見て 聞いて来た……
あきらめないかぎり

なんとかなる……

なんとかする……

これまでそうして来た
そしてこれからも……


ワタシは勝利を信じて片手剣“リズビット”の柄(つか)を強く握りしめた……

……!?


その時 一本の矢が グランマの頭頂から身体(からだ)に吸い込まれて行くのが見えた……


「ねぇ 生きてる?」


…!!


そして次の瞬間ワタシの目に映ったのは
灼熱に熱せられた岩石が
グランマの身体にめり込んでいく光景………


「パーティーには間に合ったな…」



周りを見渡すと既(すで)に2本目の矢を弓につがえた女性冒険者
巨大な斧を軽々と肩に担(かつ)いだ男性冒険者がいた………



「な……なぜ?」

思わず口にする


「たまたま酒場に寄ったら救援依頼があったからな」

「助け合うのも冒険者の仕事よ…」


「……ありがとう」


「礼は いい まずはコイツを ぶっ倒してからだ」


「そうよ 目の前の戦いに集中して…」



会話しながらも攻撃の手は緩(ゆる)めない………


パートナーの言う通り
あきらめない心が助っ人を呼んだのだ……



その後も1人 2人と 助っ人は増え あれほど苦労したエリアボス戦は あっけなく終わった……




「……本当にありがとう」

ワタシは帰還ポイントに向かう冒険者達に頭を下げる…


「また どこかで会いましょ…」


「また呼んでくれよ」


短く言葉を交わすと

冒険者達は元の世界へ帰って行った………

後(あと)はワタシ達だけ……
この静かな世界に残った…


「わたしたち やれたね…」
パートナーが明るく笑う


「……あぁ 君(きみ)の言う通りやりとげる事が出来た」


「ふふっ もうだいじょうぶだよね…」


「…誰も倒れなかった あの時とは違うのだな……」


「うん きみだけでなく 救援に来てくれた冒険者たちも強かったね…」


「…そうだな 参加人数が多かったとはいえ誰もが余裕で戦っていた…」

「皆 強くなったのだな……」


「わたしたちも もっと強くなれる…」


「……そうだな 努力しよう」



「うん わたしたちも帰ろうか?」


「…元の世界に」

「もとの世界に…」



そして………
ワタシ達は帰還ポイントから元の世界に帰った………

ある冒険者のひとりごと……14 エリアボス戦にて 前編

前回のひとりごとより……

市場に出品した“ゲルミンフード”は一万Zellで買い手がついた……
買い手の名前は解らないが大事にしてくれるとワタシ達は嬉しい……




エリアボス“コノミグランマ” “広がる平野”に君臨する強力な魔物……
挑戦するには現在就いている職業Lv40以上
エリアボスチケット1枚が必要となる……



以前は挑戦者で賑(にぎ)わっていた エリアボス出現ポイントも その前の街道をたまに冒険者が走り去って行くだけ……
かつての賑わいがウソのような静けさだ………



寄生による野良パーティーは期待できない……
……これはワタシ達だけの単独戦闘になるな………


見上げると青い空に浮かぶ白い雲がゆっくり流れていた………


「今日はアツくなりそうだ…………」


ワタシはひとり呟(つぶや)く




エリアボスポイントに入る前に装備とスキルを確認する……

コレを怠(おこた)ると勝てる戦いも負けてしまう事もあるのだ……


コノミグランマは火属性…だから防具は火属性で固める……

頭(フランメサレット) 上衣(クリムゾンバロンベスト) 下衣(深緋星渡の袴) 楯(ブレイズウッドバックラー) アクセサリー(荒野の外套)(荒野のターバン)…… 持っている防具類の中から火属性を片っぱしから装備していく………


そして見た目はアバター装備 頭(ヤイバの耳) 上衣(共和国の上衣) 下衣(レッドローズレギンス) 楯(ナイトオネスティシールド) アクセサリー(黒縁メガネ) (無し)で整える……


武器はリズヴィット アバターにアイビィソードザラマンをつける…


全体を赤で統一 アクセサリーのターバンと共和国上衣 楯と下衣で南国の騎士ぽっさを演出してみた……
まぁ楯が赤くないのは残念だが 肌の色に合わせたとなれば違和感は少ないだろう……



パートナーは 頭(シャポードパティシエM) 上衣(フランメハルニッシュ)下衣(トゥインクルEブーツ) アクセサリー(ガーネットフェロニエール)(荒野の外套)…………


アバターは 頭(吽の耳) 上衣(共和国服 青) 下衣(共和国服 青) アクセサリー(無し)(オニキスネックレス)をつける……


武器はロッド なので楯無しになる……



次にスキルだが いつもどうりでいくことにする……
コノミグランマは単体で出現するので
全体攻撃の“セイクリッドサークル”を外し“プネウマ”に付け替える……これは自身を小回復するスキル……
回復アイテムの無い この世界において必須のスキルだ……



準備が終わると エリアボス出現ポイントに近づく…カバンからエリアボス挑戦チケットを取り出すと
手の上で青い炎をあげ燃え出した……
だが不思議と熱くないのだ………音も無くチケットが燃え尽きると
いつもの あの感覚に襲われる……
景色が二重に重なって見え音が遠くに聞こえる……
軽くめまいを感じると
魔物との戦闘に入る……
同じ景色だが どこか違和感を感じる景色……

戦闘に参加する者以外 誰もいない……
静かな世界………


…だがエリアボス戦は幾重(いくえ)にも安全対策がとられている………


エリアボス挑戦の前
1回目の転移時に酒場に応援要請が出来る……

エリアボス出現ポイントでしばらく待ち時間切れになるとさらに転移され初めてエリアボスとの戦闘になる……
時間切れになる前に出現ポイントから離れれば転移は起こらない……
帰還ポイントからそのまま元の世界へ帰ることが出来る……
しかし一度使ったチケットは戻ってこない……



ワタシ達は一度目の転移で酒場に救援要請を出し
出現ポイントでしばらく待つことにした……



「……だれも こないね…」



「……そうだな……」



初めてのエリアボスとの単独戦闘に不安になったのかパートナーは問いかけてくる……

酒場からの救援依頼で戦ったきり… あの時は最大人数7人だった……

今回はワタシ達ふたり……心細くもなる……



「…大丈夫 なんとかなる」

不安そうにワタシを見上げる パートナーに そう答える……


「…これまでも なんとかしてきた…
…今回もなんとかなる」


つとめて冷静に話しかける(若干)じゃっかん声が震えていた………



「そうだね わたし達ふたりなら
できるよね!」



いつものパートナーだ……
そうこうしてるうちに
時が過ぎる………

……そして2度目の転移


ワタシ達の目前に………

……巨大な…コノミ……グランマが出現(あらわ)れた………
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