タイトルなし

桜が咲いたら焦る気持ちになる
季節がどんどん流れてゆくから


それに置いてかれないように
やらなきゃいけないことがたくさんある、ような気がする

桜が散る前に花見をして
桜がハラハラ散る瞬間をこの目に焼き付けないといけないし

つくしを発見して
木蓮(白も赤も)見て、とか
とても気忙しい

くるりと季節の歯車が回転する前に


そして思い出す和歌

世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし

確かにね

もっと穏やかでいいんだと思う

タイトルなし

みんな不機嫌で苛立っている


やわらかな春の陽気の後
寒さに震える今日みたいな日は特に


道路を走るドライバーも
ゴミ収集の職員も
スーパーのレジ打ちの人も
バスの運転手も

犬や猫すらも
イライラしている


強風でなぎ倒された自転車も
店の入り口に設置された消毒液も
ガソリンスタンドの値段を示すデジタル数字も

イライラしているように見える


以前はこんなじゃなかったとか
みんな思うのだろうか?

何かが変わってしまったのだとか

 
生きてゆくことはとても苦しい
それでも生きていかないといけない


毎日毎日悪いニュースばかりでも




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