前回のひとりごとより……

ボンドマスターに会う為
ワタシはボンドチャットに書きこみを始めた……




:今から一緒に狩りなど どうだろうか?
もし都合がつくならば“実り多い半島”に来てほしい 半島掲示板前にて待つ…

…と書きこんで待っていると………


:いいですよ
今から行きます


早速 返事が来た…



「あんがい 気さくなひとなのかな?」


「…二 三回ボンドチャットで話(書きこみ)した事があるが 悪い人では無いと思う……」


「…そうだね
きみが そう感じたのなら

そうかも……」


パートナーと立ち話をしていると
ワタシを呼ぶ 書きこみが ボンドチャットに現れた…


:いま、半島に向かってます

ワタシもそれに応え
書きこむ

:今 掲示板前に・・・



「あっ あの人じゃない?」
パートナーが指差す方向に人影が見えた……

“実り多き半島”この先に人と魔物が共存する国“マーロ共和国”がある…
魔物に嫌悪感を持つ者も冒険者には多い……
そのためか この地を訪れる者は少ない……

現(げん)にワタシ達以外 周(まわ)りに誰もいなかった……


はたして ワタシ達の目前に現れたのは
軍服に身を包み 帽子から覗(のぞ)く空色の髪が印象的な 軍人将校然(ぜん)とした若者が立っていた……
側に立つ彼のパートナーは反対に淡い桃色の髪が目を引く ネズミをモチーフにした炎術士の服に身を包んだ美人だった……


「お初に お目にかかる……問おう そなたが 我がボンドのマスターか?……」



「そうですよ
おや?会うのは初めて、でしたか?」


「あぁ そなたと会うのは 初めてだ……」


「それで、どうします
狩りを始めますか?」


「…いや …その前に いくつか質問して いいか?」


ワタシは この機会に知りたい事を聞く事にした…


「えぇ、いいですよ…」



「…では お言葉にあまえて
……なぜ このボンドを?」


「そうですね、…私もかつてあるボンドに所属していました……。
しかし、そこはボンドとは名ばかりのメンバー同士、会話も交流も無い寂しい場所でした……。」


「それで 自分のボンドを?」


「えぇ、そうです。
メンバー同士、会話溢(あふ)れる、賑(にぎ)やかな場所。

そんな素晴らしい場所を メンバーと共有したい…
そう思って、このボンドを立ち上げたのです…。」


「しかし 今の…現状は……あまり良く無い…のでは?」

ワタシは自分が感じている事を述べた……



「そう、ですね……
せっかく勧誘したのですが……」


「…少し 人数が多すぎたのでは?
本当に 全員把握(はあく)出来ているのか?」


「…会話に絡んで来るのは
数人というのが現状です…
人数が多ければ、賑やかになると、思ったのですが…」



「すくない人数で始めて
うまくいったら人数を増やしていけば よかったんだよ」


ワタシのパートナーが会話に割り込む……


「…えぇ、おしゃる通りです
急ぎすぎました……。」


…そうなのだボンドレベルを上げれば参加人数を増やす事が出来る…
…だが それには大量のZellが必要になる………
このボンドは今Lv6…
どれだけZellをつぎ込んだのか見当がつかない……



「立ち話も なんだし
座って お茶にしよう?
ちょうど錬金合成も終わったし…
彼女にも手伝ってもらったんだよ(^_^)」


見るとボンドマスターのパートナーが軽く会釈(えしゃく)をする……


「向こうの水車のそばに 行こう きっと気持ちいいと思うんだ…」


パートナーの指差す先に
巨大な水車が ゆっくりと回っている……
地下から水を汲み上げているのか 周りに水が溢(あふ)れてちょっとした池になっている………
なるほどあの近くは涼しげだ……


「場所を移動しよう…」

パートナーの言(げん)を受け ワタシは提案する…


「わかりました。
移動しましょう。」


提案は受け入れられた様だ…