いっこまえのの続きです。この遊園地、モデルがすぐばれるwww
「花火始まったみたいだね」
どんどんと、くぐもった音が窓のほうから聞こえる。姉ちゃんの声にカーテンを引くと、遠くの方で花火が上がっているのが見えた。
電車で四つくらい乗ったところにある遊園地。家族とも友達とも、何度も行ったことのある小さな遊園地だ。いつ行っても人が少なくて、すぐにどのアトラクションにも乗れるような寂れたところだけれど、それが昔は楽しかった。今行ったらどうだろう。木造のコースターはあの頃から変わってないらしいから、違う意味でスリルがあるかもしれない。
「まだやってたんだねー、これ」
「小さいけど、綺麗に見えますね」
ビルとビルの間、観覧車のイルミネーションの隣に、控えめに上がる花火。
丸くて青い輪のなかにしゅっしゅっと白い線が走ってるのや、大きな丸が光った後に落ちて、枝垂れ柳っていうんだっけ。そんなのが真っ黒な空に上がっては、風に流されて消えていく。その途中で形が崩れてしまうのが、なんだか物悲しかった。少しの間、箸が止まる。
規則的な間隔を空けて上がっていた花火は、数発重なるように開いたかと思うとぱたりとやんでしまった。「終わりかな」という母さんの声にはっとして、残っているおかずに箸をつける。せっかくのステーキはすっかり冷めて固くなっていた。
・・・そういえば、こいつとはあの遊園地に行ったことが無い。いや、行こうとしたけど雨でだめになったんだっけか。よく覚えていない。
「この遊園地、行ったことないな」
ぽつり。そうこぼした横顔がすごく大人びて見えて、知らない人みたいだ。
耳にかけていた髪がしゅるっと落ちて、その横顔が隠される。それがなんかすげーいやだった。
「行こうぜ」
「なに・・・」
「だから、遊園地!明日行こうぜ!」
驚いたような表情はすぐに消えて、ぱっと子どもみたいな笑顔が広がる。
そこには俺の知ってるユキが見えて、ちょっと懐かしくなった。
生産性なくてもなんくるないさー☆もーとーもとそんな人生☆(凛ちゃんのお歌に乗せて)
このまま一生オタクやってたら、すること多すぎてすぐ死ぬ気がします(笑)