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赤也くん夢

名前変換が出来ないので、ユキで統一してます。すみません。

にわかファンなので言い回しとかいろいろおかしいかと思いますが…完全赤也くん視点。






−新着Eメールはありません−


「ッだああぁ!!!」

「赤也!うるさいぞ!」


メールが来ない。メールが来ない。メールが来ない!!!

ユキと付き合って半年。付き合いたての頃はおはようからおやすみまで15分に一回はメールしてたっていうのに、最近はおはようもおやすみもみんな俺から。絵文字も少ない。返ってくるのは1時間に1通あればいい方。なんだよなんだよ!ユキの馬鹿やろー。


「馬鹿やろー!」

「赤也、思っとることが言葉に出とるぜよ」

「おっ、あれユキだろぃ?」


えっ!?なんて喜んでしまう気持ちを抑えて、ユキなんて知らねぇッス!って強がる。登校する生徒たちに紛れるその背中は間違いなくユキだったけれど、そんなの知るもんか。

あいつの方からメールして来るまで、絶対話しかけてなんかやんねー。


−新着Eメールはありません−


「ッだああぁ!!!」

「赤也、まだやってんのかよ…ほら行くぞ」

「今日無理ッス…なんかやる気出ない…」


机に突っ伏す俺を、ジャッカル先輩が無理やり引っ張って行く。

今日の授業はちっとも頭に入らないし、昼飯だってなんか味気ない。…授業の方はいつもだなんて言うなよな。

こんなんで部活行ってもやる気出ないし、サボるかなぁー……いやいや、そうすっと絶対真田副部長にどやされる。だったらこのままジャッカル先輩付き合わせて、罪をなすりつければ…


「…お前なんか変なこと考えてるだろ。いいから自分からメールしろよ」

「そうなんッスけど、なんか釈然としないっつーか、男のコキンに関わるっつーか…」

「沽券な」


しぶしぶ携帯を開くと、待ち受け画面のプリクラで、ユキと笑ってる俺と目が合う。この頃は良かったなーなんて、俺オッサンみたいだな…すぐに作成画面を開き、カチカチとメールを打った。

−−−−−−−−−

ユキ、おはよ。

これから部活。


−−−−−−−−−

わざとちょっと冷たいメールにして、絵文字は一つも付けなかった。いつもはユキの真似していろいろ付けてたけど、なんかそんな気分じゃない。このメールを見て、最近冷たかったかなってユキが焦ればいいのに。

「終わったか?」

「…ッス」

「ったく、変なとこで意地張ってんじゃねぇよ」


長続きしないぞ、なんてジャッカル先輩は笑うけれど、俺にとっては死活問題だ。ギロッと睨みつけたら、先輩はもう何にも言わなくなった。

前はユキの方が「何でメール返してくれないの」って拗ねてたくせに。なんだよなんだよ。


「赤也、練習に身が入っていないようだが?」

「コイツ、ユキからメール来てないか気になってしょうがねぇんだよ。女々しいよなぁ」

「俺のデータでは、今日はユキの所属する美化委員の集まりがあったはずだ。メールが返ってくるとすれば、その後だと思うが?」


委員会…あぁ、アイツそんなの入ってたんだっけ。

メールなんて30秒あれば送れるんだから、さっさと返しゃあいいのに。ばーか。


「そんなデータまであるとは、びっくりじゃの」

「まぁ、参考程度だがな」

「赤也…ほら、真田が来るぞ。シャキッとしろ」


うぃーっす、なんて言いかけた時、隅の昇降口から駆け出して来るユキの姿が目に入った。何か記録用紙みたいなのを持って、一生懸命チューリップの花壇を見つめてる。

…アイツって、薔薇とかそんな派手なのじゃなくて、チューリップみたいなちっこい花が似合うよな。花壇の周りをちょこまかと動き回る姿から、何故だか目が離せない。

−あ、幸村部長。そっか、幸村部長も美化委員だっけ。

って、ちょ、ユキに話しかけんな!お前もニコニコしてんじゃねぇ!この…この…


「馬っ鹿ヤロー!」

「赤也っ!!!たるんどる!!!」


真田副部長の怒声に、俺の声は瞬く間にかき消された。なんつー最悪な1日。何もかもアイツのせいだ。

…ばかばかばーか。もうユキなんて知らね。大っ嫌い。


部活が終わり、部室に置いてあった携帯を握りしめる。画面を見るのがなんか怖くて、目をつむったまま電源を切った。もしかしたら返事が来てるかも、なんて思ったけど、来てなかった時のショックの方が大きい。やめとこ。

寄り道する気力もないけど、ゲーセン寄ってストレス発散しようかなぁ…対戦相手をボッコボコにしたら、この気持ちも少しは晴れるかもしれない。


「赤也くん!」


聞き間違えるはずがない。咄嗟に振り返ると、ユキが向こうから駆け寄って来ていた。急に心臓がバクバクして、なんだよ情けねぇ。乙女かよ。太ももをぎゅう、とつねって、にやけそうになった顔を引き締める。


「赤也くん!メール返せなくてごめんね」

「別に…委員会だったんだろ」

「うん、それで、そのお詫びって訳じゃないんだけど…」


はい、と手渡されたのはピンクのリボンでラッピングされた可愛らしい何か。

開けてみると、なんかふにゃふにゃした形をした…これ、俺?俺の顔の形のクッキー…?


「これ…、俺…?」

「うん!すっごく時間かかったんだよ!」


正直へったくそだし、顔にする意味が分かんねぇけど、なんかすっげー嬉しかった。帰ったら大事に食べよう。

まだ花壇の整備が終わらないからってユキはすぐ行っちまったけど、俺はしばらくその場から動けなかった。仁王先輩や丸井先輩がちゃかしてくるのも耳に入らない。なんて最高な1日だろう。ユキだーい好き!

大半の生徒たちが不思議そうにぞろぞろと帰って行ったあと、俺はやっと帰路についた。


ーーーーーーーーー

クッキーありがとな。

変な形だけどうまいよ。


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変な形は余計(笑)

部活お疲れ様。
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お前も委員会お疲れ。

大変だったろ?


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大したことないよ。

赤也くんのユニフォーム姿も見られたしね。


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やっべ、真田副部長に怒られてんの、見られちまったかな…!ユキが見てるんだったら、もっとかっこいいプレイしとくんだった。明日は気をつけよう。

おやすみなさい、とメールして、パタンと携帯を閉じる。

目を閉じるとクッキーを渡してくれた時のユキの笑顔とか、ほんのり甘い味が浮かんできて、胸がくすぐったくなった。

明日もお前に会いたい。おやすみ、ユキ。





−新着Eメールはありません−


「ッだああぁ!!!」

「馬鹿だろお前」



やっぱりユキなんか大嫌いだ!!!











岩手行った時1日だけちっちゃいホテルに泊まったんですが、そこにソフト●ンデマンドのあれがあったんで一緒に行った子に『部屋にエロビデオの広告あったね…へへ』って言ったら『あ、あぁ…』ってすごい苦笑いされた私が通りますよっと

メールが手軽に出来るようになっていいことも悪いこともあると思いますが、確実に小説を打ちやすくなりましたね…携帯メールに見せかけられるから…
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