痛みを感じないなんて、あるワケないだろ?
俺だって人間なんだ。感情があるんだ。
人は誰しも、痛みを与えて、痛みを抱えて生きていく。
逢えないこの痛みは、どうしようもない程持て余す。
だけど、同時に実家させてくれるんだ。
感情がある事を。
が好きな事を。
生きて、いる事を―――。
無くしたくない痛みがある。
誰も知らなくていい。
いや、誰にも知られたくない。
俺だけが感じる、俺だけに意味がある。俺だけの宝物。
死んでも離したくない。
…なぁ、 。
この出逢いって、「カイコウ」って言うんだろ?
オレにとって、それ程重要なんだ。意味があったんだ。
…お前もか?
お前も、オレと同じようにこの出逢いにカイコウを感じてくれただろうか。
「逢いてぇ…」
不意に出た本音が、何だかおかしかった。
次に逢うのがいつか分かんねぇのに。
…いや、また逢えるかどうかも分かんねぇのに、そう想っている。
―――終わらせねぇ。
こんな中途半端で、終われるかよ。
オレをこんなにしといて、逃げ切れると思うなよ。
元々、待ってる、なんて性分じゃねぇし。
逃げるなら、追うまでだ。
次逢ったら一発ぶん殴って、そして言ってやるんだ。
「ようバカ 、こんなトコに居たのかよ」
…理由?
ただ欲しいんだ。お前が。
初めは勝ちたい。そう思ってただけ。
…だけだと、思っていた。
だけど、違ったんだ。
欲していたのは勝利という二文字ではなく、『 』だった。
固執していたのは勝ち負けなんかじゃなく、お前自身にしてたんだ。
欲しい。
ぜってー欲しい。
一度は手にしたと思っていた至福の時間は、別れの言葉もなく終わった。
もう二度と経験したくないと思っていた、失くしてしまうあの感覚。
それでも、あの時間は嘘じゃなかっただろ?
だから。
何処までも追いかけて追いかけて。
次に掴まえたら、ぜってー離さねぇ。
オレが欲してるように、お前だって求めてんだろ?
強いて言うなら、確かめる為だ。
お互いが、消えないように。
お互いが、失わないように。
お互いが、いつまでも傍にあるように―――。
だから、今日も。
そう感じるのが当たり前のように、オレは求めている。欲している。
なぁ、 。
責任、とれよ? オレをこんなにしといて、もう消えんなよ。