…理由?

 ただ欲しいんだ。お前が。

 初めは勝ちたい。そう思ってただけ。

 …だけだと、思っていた。

 だけど、違ったんだ。
 欲していたのは勝利という二文字ではなく、『   』だった。

 固執していたのは勝ち負けなんかじゃなく、お前自身にしてたんだ。

 欲しい。

 ぜってー欲しい。

 一度は手にしたと思っていた至福の時間は、別れの言葉もなく終わった。

 もう二度と経験したくないと思っていた、失くしてしまうあの感覚。

 それでも、あの時間は嘘じゃなかっただろ?

 だから。

 何処までも追いかけて追いかけて。

 次に掴まえたら、ぜってー離さねぇ。

 オレが欲してるように、お前だって求めてんだろ?



 強いて言うなら、確かめる為だ。

 お互いが、消えないように。

 お互いが、失わないように。

 お互いが、いつまでも傍にあるように―――。

 だから、今日も。
 そう感じるのが当たり前のように、オレは求めている。欲している。
 なぁ、   。
 責任、とれよ? オレをこんなにしといて、もう消えんなよ。