友達だと思っていた人から、連絡が来ない。
何かあったのだろうか、心配する以外には何もできない。
いくら友達でも踏み込んではいけないラインがあって、私にはその境界の区別がつかなかった。
もしかしたら踏み越えてしまったかもしれない。
でも知る術はない。

一方的に拒絶されるということがこんなにも空しいものだとは思わなかった。
私を拒絶した人は気の毒なことに、私が好く部類の人間だった。
きっと私と関わるのが煩わしいから切ったのだと、今ではそう考えている。
信じたくなかったが、そちらの可能性の方が濃厚だった。

彼らと出会ったのもまた奇跡だろう。
私は出会うべくして彼らに出会い、別れるべくして別れた。
それだけのことだ、と…割り切れたらどんなに楽だろう。

過去が置き去りにされ、この先の未来は一切紡がれない。
私と彼らの存在が交差する話はもう生まれたりしない。
生きてさえいればまた会うことができるのに。
生きていることが分かっていても会うことはできない。

こんなに辛い思いをすると分かっていたなら、初めから会いたくなかった。
なんて思ったこともある。
でも嫌だった。
出会ってからほんの少しの間だったけど、彼らのことは忘れたくない。
本当に、本当に大袈裟だけど、彼らは私の世界を変えてくれたからだ。

きっかけとか通過点とか分岐点とか、そんな言葉がぴったりだ。
私はそれで終わらせたくなかったが、相手もこの先「仲良くしましょうね」と思っているわけじゃない。
けっして。

来る者拒まず、去る者追わずにしたがって生きていた私が初めて追いかけたくなった人たち。
今はどこでどうしているのか分からない。
いくらネットを使って簡単に繋がる世の中とは言え、切れてしまえば案外あっけない。
繋ぎ留めておくのは難しい。

だから諦めるしかないのだ、とその結論に至るまで3ヶ月近くかかった。


もし、 何かの拍子でまた連絡を取り合うことがあれば、うれしい。
でももう触れてはいけない。踏み込んではいけない。
切れたら繋げばいい、って思ってたけど、きっと前みたいに話はできないから。
きっと別人になった彼らを、私は空しく思うし許せない。
人がどうなろうと自由なのに、許せない、なんて何様なんだろう。
いくら妄想したって許すことも話すこともなんにもできないくせに。

もう一度でいいから、なんて嘘もつけない。