前回のひとりごとから…

Zell(ゼル)を盗られ
彼を追いかけようとする
パートナーをワタシは
制止した………




「えっ? 追わない……?」


パートナーの目はまんまるだ

二日酔いの痛みに耐えながら ワタシは答える

「…今から 追いかけても
間に合わない……彼が
どこに向かったか……」

それでもパートナーは
納得できず


「でも 市場に向かえば…」

「ご覧の通り ワタシは
しばらく動けない
それに彼は ワタシの友だ
信じようじゃないか…」


「でも Zell(ゼル)だよ 大事なものなんだよ!」


「…また 稼げばいい……
ワタシ達には ソレができる 彼には ソレが少し難しかった……」

「それに 彼がその気なら
全額 持っていくことも
出来た…なぜ そうしなかったと思う?」


「…そ…それは……」


「…彼からは ジュブルフカという珍しい酒をもらった
ワタシ達はその お代を払った……
それで いい………」

パートナーは いまいち
納得していないようだったが


「…きみが そう……
言うなら……」


しぶしぶ 承諾したようだ

「……それから 彼のメモ
このビンの下に はさんで
あったよ……」


パートナーの手に茶色の小瓶があった
それを受け取り 頭痛に悩まされながら観察する…

蓋はしっかり締まり
封は切られてない

次に瓶の表面に貼られた
紙片を見る

女性の上半身に青い羽毛の鳥の下半身
ハーピーと呼ばれる
魔物が描かれている

その絵の上に
“ワイルド・ハーピー”
と書かれている


この瓶の中身はなんだろうか?
液体らしきモノが入っているようだが……


パートナーにも解らない
らしく困惑している


困った彼の置き土産を
ワタシの鞄に仕舞い

ワタシ達は行くあてのない旅に出る事にした

もちろんワタシの二日酔いが収まってからだが………