ヒトには 不相応 というモノがある…

だが ちょぴり 背伸び
してみたい

そんなトキがあるものである……




不老不死の村で
“ふしぎな女”に出会った時 ワタシは ある冒険者を思い出していた……


…それは 錬成施設前で
“音のカケラ”を集めて
いた時 たまたま
見掛け 共に 戦った
女性である……


上衣に 鬼のサラシ
下衣は トゥインクルEブーツを履き
頭には フラムウィッチハット をかぶり

ロッドオブアンタレスの杖を振る

長身の彼女は 実に
かっこよく 見えた……



あの女性と同じ格好を
すれば…

…ワタシも……


やっては イケなかった
のかも しれない…

後悔 さきに立たず
とは 言うが
物事 やってみなくては
解らない

この時の ワタシは
後者だった………


帽子と下衣は すでに
持っていた
杖は…
エアリースチールロッドで代用……

あとは……
…鬼サラシ

市場を覗いてみたが
かなりの高値が付いている一番安くて10万Zell(ゼル)…

………ムリだな

こういう所では冷静になる
仕方がない 上衣は
下着で代用しよう……

必要なモノは そろった…

あとは…実行するのみ

…ワタシは 錬成施設前
入り口前にある酒場の裏でこっそり 着替えてみた…

ここは 人がめったに
来ないから……


……

………

…………

水面に映る ワタシの顔は
…なんとも
……微妙な表情をしていた

セクシーさとは 程遠い
変な格好をした
褐色の少女が
まるで宝箱を釣り上げたような顔をして
立っていた……




物事はやってみなくては
解らない

しかし 後悔は先にするのではなく 後で するもの
である……