時系列主観めちゃくちゃ。
現パロ。
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形が見て取れる内は、何度も焼き直した。
動作を重ねるごと、感情の波は意識の沖へと遠ざかった。
まるで静謐な儀式へ没入するように。
俺は予め拾っておいた石を奴にひとつ手渡し、足に重たくまとわりつく砂を感じながら、燃やし尽くされなかった残骸に近付く。
手に持った石で砕くと、のろのろと奴もそれに倣った。
今日も空はよく晴れている。
遠くに行き交い群れる海鳥の声と、砂浜に低く満ちる潮騒。
奴はいつまでも名残惜しそうに、波打ち際を走っては水飛沫をあげた。
煤にまみれた残骸を、細かく砕いて撒いた海を。
「おい、もう行くぞ」
例え俺達を待つものが何であろうと、俺は奴を連れて帰る決心をした。
少しずつ、奴は色々なことを思い出してゆくだろう。
奴は振り返ると、ゆっくりこちらへ向かって歩きだした。
その面は凪いでいて、屈託のない笑みさえ浮かべている。
そんな顔を見ていると、いつか本当に、穏やかな日々を送れる時が来るだろうとさえ思い描く。
たとえ、それが……如何に遠い日のことであろうとも。