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【ヘタリア、種、マ王、夢】種世界でユーリ対ヴェネチアーノなカオスコミカル話(3)

まる描いて地球連合とプラントとの戦争に決着を着けるべく開催される最終決戦用に、国境に突貫工事で建設された広大な会場。
大きな垂れ幕やそこここの幟には『大自慢3本勝負!〜愛と美の女神に愛されたのは、まる描いて地球連合か、プラントか!〜』と大書されている。
決戦用ステージに近い観覧席は、高価なチケットを買わないと確保できないが、大入り満員。
ステージから遠い安価な席も、それでも結構な値段がするが、やはり満席。
ステージや客席の近くには、多数の屋台が出店しており、食べ物や玩具、最終決戦公式グッズ等が売っていて、大賑わい。

満面の笑みの中国「この決戦は、全宇宙中継しているあるよ!」
ロシア「中国、だいぶ儲かってるみたいだねぇ。工事受注、放映権料、出店料、客席代、公式グッズ製造販売……」
中国「はっはっは!もう、笑いが止まらないある!」
オーストリア「儲けの半分は、まる描いて地球連合に入れてくださいよ」
中国「それはなぜか!?」
オーストリア「当たり前でしょう!この決戦は、終戦のための共同軍事行動の一貫です。今までかかった軍事費に充当しますから」
中国「横暴ある!」
ニコニコとロシア「大丈夫だよ、中国。君がお金を出した分、僕が君の家をもらってあげるからね」
中国「それ、意味わからないある!」
気にせずオーストリア「さて、そろそろ始まりますね。ロシア、あなたが司会でしょう?そろそろ配置についてください」


会場周辺。
探しまわっているフレイ「ドイツ先生ー!ドイツ先生、どこなの?この会場に来てるって聞いたのに……」
とぼとぼと歩いているイタリア「ドイツー。ドイツー。どこ行っちゃったんだよぉ。ここに来れば会えるって聞いたのにぃ。俺、フランス兄ちゃんに負けちゃって、出場できないんだよー」
ぶつかるフレイとイタリア。
フレイ「キャッ!何よ、あんた!ちゃんと前見て歩きなさいよね!」
イタリア「いたたた。あ、ごめんね。……うわぁお!可愛い女の子だぁー!」
フレイ「は?」
イタリア「ねえねえ、君、可愛いね!名前なんて言うの?」
フレイ「なんで見知らぬ他人に教えなきゃいけな……って、イタリア総裁!?なんで敵の親玉が、こんなところをふらふらしてるのよ!」
イタリア「あ、俺のこと知ってるの?嬉しいな、チャオ☆」
イタリアの胸ぐらをつかむフレイ「嬉しいな……じゃないわよ。ここで会ったが百年目ーっ!よくも私のドイツ先生を誘惑してくれたわねー!」
イタリア「え、君、ドイツのこと知ってるの?」
フレイ「知ってるも何も、ドイツ先生は、私と将来を約束してるのよっ!」
イタリア「へぇ〜。そうなんだ!うん、こんなに可愛い子なら、納得だよ!いいなー、ドイツ」
フレイ「……なんだか話が噛み合ってないような気がするのだけれど」
上機嫌のイタリア「君はドイツのどこが好きなの?」
フレイ「どこって、全部よ、全部」
イタリア「ドイツって、優しいし、頼もしいし、かっこいいし」
フレイ「強いし、紳士だし、控えめだし」
イタリア「真面目にあんな細かい工芸品なんか作っちゃうんだから、面白いよねぇ、ドイツ」
フレイ「でも時々熱くなるところがまた素敵で」
二人のドイツトークは延々続く。


ステージのプラント楽屋にて。
アスラン「な……何故こんなことにorz」
ヴォルフラム「なんだお前。まだ着替えてなかったのか?往生際の悪いやつめ」
ギュンター「アスラン、早くなさい。そろそろ出番ですよ」
アスラン「教官……俺は士官学校生で、軍人を目指しているのですが!」
気の毒そうにグウェンダル「いや、これも務めだ。軍人は上官の命令には絶対服従だ」
笑顔のニコル「寮生から、在学中にこんな大役を仰せつかる者が出るなんて、寮長として僕は鼻が高いですよ」
アスラン「なら、代わってもらえませんか、寮長」
ギュンター「何を言っているのですか!ユーリ陛下直々のご指名ですよ。なんと名誉なこと!ああーっ、悔しい!!できることなら、わたっ、私がその大役を仰せつかりたかったのにーっ!きーっ!!」
ヴォルフラム「ギュンターはトウが立ちすぎで無理だとユーリに言われただろう」
ギュンター「ヴォッ、ヴォルフラム!あとでお説教しますから覚悟しておきなさい!」


ステージ上。
ロシア「お待たせしたね〜。ごめんねー、コルコルコルコル」
ぼそっとオーストリア「ロシアが上機嫌だと、何か不安になりますね」
フランス「そうかぁ?お兄さんは胸の高鳴りが止まらないぜっ!」
オーストリア「そりゃあ、あなたはそうでしょうね」

貴賓席。
ユーリ「あれ?まる描いて地球連合の総裁が、向こうの貴賓室に見当たらないんだけど」
グレタ「ほんとだー。イタちゃん、どうしたんだろうね、お兄ちゃん?」
イギリス「さあ?あいつも気まぐれだからなぁ」
ユーリ「こんな戦争の勝敗を決める最終決戦に出てこないなんて、何かあったのかな?」
イギリス「たぶん、会場内で女の子でもナンパしているか、歌でも歌ってるか、パスタ喰ってるか、シエスタしてるかあたりだと思いますよ、父上」
ユーリ「そうなんだ?それはそうと、イギリス。準備のほうは大丈夫?」
イギリス「任せてください、父上!絶対に勝利をもぎ取ってきますよ」
にっこりとユーリ「そう。期待してるよ」

ステージ上。
ロシア「では、ただいまより、長きに渡ったこの戦争を終結させるべく、まる描いて地球連合対プラントの最終決戦を開始するよ」
盛り上がる会場。
ロシア「全三本勝負で、先に二勝したほうが勝ち。それでは、一番目の対決〜。『美裸体勝負』!これは、連合とプラントから、各1人ずつの代表選手を出し、両陣営から50人ずつ集めた画家に『どちらの裸体をこそ絵に描きたいか』を選んでもらい、より多くの票を得た方が勝ちっていう勝負なんだ。それでは、両代表、入場どうぞ!」
ステージへの入場ゲートの片方からフランス「いやっほーっ!全宇宙のレディ達、見てるかーいっ?お兄さんが、愛と美の女神に愛された、スーパービューティフルボディの持ち主、フランスだよーっ!」
フランスは、腰の前に金色のぶどうの葉っぱを一枚あてがっているだけの姿で堂々とステージに立つ。
フランス「俺の体を見ろーっ!ほぉら、芸術家の諸君!絵心をそそる美しさだろう?♪」
ロシア「あれ?プラント代表は?逃げたのかな?コルコルコル……棄権ということで、まる描いて地球連合の勝ちってことでいい?」
ヴォルフラム「待ったー!うちの代表は今出る!」
ギュンター「ほら、早く!」
グウェンダル「見ろ。連合よりはマシだ。大丈夫だ。我が国のために、全てを捧げてくれ」
ニコル「貴方なら勝てます!頑張ってください!」
ヴォルフラムに背中をどつかれて、青ざめた顔でよろよろとステージに出るアスラン。腰布を一枚巻いただけの姿ではあるが、周りを賑やかにハロが跳ねている。
ハロ「ハロ!ハロハロ!アスラン!コッチ!」

まる描いて地球連合楽屋。
ステージの中継画面を見て騒ぐトリィ「トリィ、トリィ!」
トマトを運びながら中継に目をやったキラ「アスラン!?」
驚愕のあまり、キラは固まってトマトを落としそうになり、ミリアリアが即座にキャッチする。
ミリアリア「ちょっと、キラ!こんな大事な時に、この絶品トマトを落とさないでよね!」
キラを揺さぶるトール「おい、キラ。大丈夫か?」
キラ「アスラン……いったい、何やってorz」
ロマーノ「なんだ、知り合いか?一人で浸ってんじゃねーぞ、コノヤロー」
キラ「知り合いというか、幼馴染なんですが……早く一人前の軍人になって、僕を迎えに来るって行ってたのに(/_;)」
トール「軍人やめてストリッパーになったの?」
キラ「違う!……と思いたいんだけど(T_T)」
画面に向かってロマーノ「うーん、度胸が足りないぜ、コノヤローは。もっと思い切りよくしろ!」
ミリアリア「あん、でも、いいカ・ラ・ダ☆ドキドキしちゃうーっ!」
キラ「あすらん……僕、泣いていいのかな?」

ロシア「なんだか賑やかでひねり潰したくなるような可愛い丸い物も出てきたね〜、うふふ。じゃあ、両者とも中央に並んでね。さぁ、今から5分間ずつ、二人にパフォーマンスをやってもらうよ〜。それを見て、画家の人達は投票してね」
色んなポーズで全身を見せ付けるフランス「ほらっ!色っぽいでしょ?やっぱお兄さんが世界一だよね!プラントは元気ないねー」
ハロ「オマエモナ!」
何度か勇気を振り絞ろうとしてはやっぱりうつむいてしまうアスラン「あ、えと……」
ハロ「アスラン、テヤンデー!ハロ!」
ロシア「さーて、じゃあ、投票してね〜。今から集計するよ。あ、プラント代表、まだステージにいなきゃダメだよ」
ヴォルフラム「アスラン!もっと堂々としろっ!わが国の代表なんだぞ!」
グウェンダル「まぁ、ヴォルフラム、ちょっと落ち着け……」
ロシア「結果発表ー!ええと、まる描いて地球連合は23票、プラントが77票……ちっ。まずはプラントの一勝〜」
フランス「えええええーっ!?なんで、なんでお兄さんの肉体美が通じないの?皆、眼がおかしいんじゃないのー!」
ロシア「えーと、投票用紙にコメントも書けるんだけど、なんか、フランスは若さで負けたみたいだね」
フランス「グサッ!なにそれ、なにそれー!成熟した大人の美がだねぇ!」
ロシア「プラント代表に関しては、『不安定な少年の体がかもし出す美』だの『恥らう姿がとにかくそそる』だの『艶々すべすべの肌を抱きたい』だのと書かれてるね。フランスのことは『おっさん』とか『自意識過剰』とか。」
フランス「ショーック!!!!」
さらに青ざめるアスラン「え、抱き……?」
ロシア「はい、じゃあ、両者とも退場してね。あれ?プラント代表は、まだステージにでしゃばりたいのかな?」
固まっていたアスラン「違っ!」


貴賓席。
宙を仰ぐユーリ「うーん……俺、なんかすっごく悪いことをしてしまった気分」
グレタ「なんでー?グレタは、アスランお兄ちゃんだから勝てたんだと思うよ」
ユーリ「そ、そうかな?」
グレタ「そうだよー」
イギリス「じゃあ、俺、そろそろ出番なんで」
ユーリ「うん、頑張ってね」
イギリス「はい!」

まる描いて地球連合楽屋。
ミリアリア「うーん、いいモノ見せてもらったわー♪」
ぐるぐるしているキラ「アスラン、アスラン、アスラン……」
トール「いやでも、勝ったのはプラントだし」
ミリアリア「そうだけど、やっぱりあれはプラント代表の圧勝よ!」
ロマーノ「ふん!フランスなんかが出しゃばるからだぜ!ヴェネチアーノはどうしたんだよ」
ミリアリア「そういえば総裁、映りませんね」
トール「まあ、とりあえず、次はうちの出番ですし、頑張りましょう」
ロマーノ「全世界を血(のようなトマト)で真っ赤に染めてやるぞ!」
楽屋に駆け込んできたスペイン「遅うなってもぅたー!」
ロマーノ「遅いぞ、スペイン、コノヤロー!」
ミリアリア「私達は今から出るので、第三ラウンド用の着替え、そろそろ始めてくださいね!」
スペイン「まかせとき!ええ衣装用意しとるさかいな!ブルコスの連中をあっと言わせたるでぇ」


ステージ上。
ロシア「じゃあ、気を取り直して〜、2本目の勝負、行くよ〜!『なんでも品評会』!ええと、この勝負は、まる描いて地球連合代表とプラント代表が、どんなモノでもいいので、『これなら絶対負けない!』という素晴らしいモノを出品しあって、両陣営から抽選で選ばれた一般市民50人ずつに、どちらがより優れているか、投票してもらって決めるんだ。では、両代表、ステージ上へ〜」
元気よくステージに上がるロマーノ「まる描いて地球連合の誇る優秀なテロリスト集団『ロッソ・ポモドーロ』の若旦那、ロマーノだ!」
ロシア「え、連合はこんなテロリスト、公認したことないけど」
ロマーノ「何ーっ!?」
ロシア「ま、僕に迷惑がかからないなら、何してくれてもいいけどね〜。中国の抹殺とか、僕はお勧めだな〜」
ロマーノ「なんでそんな俺の利益にならないことをしなきゃならないんだ、コノヤロー!絶対やらないからな、自分でやれ!」
舞台袖で不穏な笑みの中国「ロシア、あとで見ているよろし」
大量のトマトを抱えてロマーノの後ろに立つキラ「もうやだ、この国orz」
大量のトマトを抱えたミリアリア「え、どうして?楽しいじゃない」
大量のトマトを抱えたトール「ちょっとキラに同情するかも、はは……」
ロシア「で、プラント代表は?あ、いたいた、裏切者の負け犬君が(にっこり)」
ふんぞり返ったイギリス「ふんっ。目にもの見せてやるからな。今の俺は、父上と妹からの愛されパワーで無敵だぜ!」
ロシア「イギリスの御託は置いといて〜」
イギリス「なっ、テメェ!」
ロシア「じゃあ、両者、自慢の一品をPRしてね。まずは、まる描いて地球連合だよ」


プラント楽屋にて。
よろよろと床に座り込むアスランの肩をニコルが優しく叩く。
何とも言えない表情でグウェンダル「アスラン……立派だったぞ」
瞳を潤ませながらアスラン「閣下……」
ヴォルフラム「なんだ、情けない。勝ったのに、何故泣く?」
ギュンター「そうですよっ!ああ、私がそのお役目、拝命したかった……陛下ぁーっ!」
中継モニターに目をやってニコル「次の対決が始まってますね。連合側は4人がかりですか」
ちらりとモニターに視線を向けるアスラン「キ……キラッ!?どうしてステージ上に……というか、もしかして、さっきの対決、キラに見られた!?ああああああああああ」
グウェンダル「おい、どうした!しっかりしろ!気を強く持て!」
ヴォルフラム「うるさいぞ、アスラン」
ギュンター「情緒不安定な学生ですね。もっと落ち着きを持たなければ、立派な軍人にはなれませんよ」
グウェンダル「ギュンター……お前が言うのか」
ギュンター「さて、第3ラウンドの準備はどうなっているのでしょうか?」
楽屋の奥から出てきたドイツ「準備はおおむね完了だ。出来も……まあ、良いのだと思う」
ヴォルフラム「勝てるんだろうな?」
ドイツ「正直、俺にはどう判断していいのか、よくわからんのだが……準備を手伝っていた士官学校生達の様子を見ると、おそらくあれでいいのだろう」
ギュンター「まあ、陛下に出ていただくわけにも参りませんし、よろしいのでは?」
ドイツ「そうだろうな、きっと」


ロマーノ「おい、お前ら!」
ミリアリア「了解!」
キラとトールは、真っ赤に熟れたトマトを、審査員に選ばれた一般市民全員に手渡していく。ステージに出る直前まで井戸水で冷やしていたので、食べごろだ。
ミリアリアが高く掲げた真っ赤なトマトを指さしてロマーノ「このトマトを見ろーっ!」
ミリアリア「審査員の方々には、全員にお配りしています」
ロマーノ「昨今、市民の間で、『ブルーコスモス』などという、青色を至上の美と湛えるテロリスト集団が跋扈しているらしいが、この情熱の赤っ!これに勝るモノは無いとは、テメェらは思わないかーっ!?」
ミリアリア「青いトマトなんて食べれたものじゃないですけど、この真っ赤なトマトは絶品のお味ですよっ」
ロマーノ「我々が品種改良に改良を重ねてきた絶品トマト、その名も『ロッソ・ポモドーロ』!俺らの団体名を冠するこのトマト、とりあえず、目で見て美しさに感じ入れ!」
ミリアリア「そうして、次は甘い香りも楽しんでねっ」
ロマーノ「香りも十分に堪能したら、さあ、いざ、食べてみろ!この世のものとも思えない、フルーティで至高のブォーノだっ!」
ミリアリア「さあさあ、プラント代表が何を出してきても、ブルーコスモスが襲撃してきても、絶対に負けない自信のある一品、どうぞ、ご賞味あれ!」
審査員席からは、一口かじった途端のどよめきが上がる。
ロマーノ「フハハハハハハ、見たか、ブルコスめっ!」
ぼそっとキラ「ここでの僕達の対戦相手って、ブルコスじゃなくてプラントだよね?」
ぼそっとトール「まあ、若旦那が楽しそうだから、いいんじゃないの?」

ロシア「さて、次はプラント代表の番だよ〜」
イギリス「おう!さあさあ皆さん、ごらんあれ。この至宝!次々に色の変化する、美しい宝石!これぞ妖精達の間で代々伝えられている『グリフィンの涙』。美しいだろ?あんなどぎつい色の量産型トマトと違って、世界にたったひとつしかない宝石だ!」
イギリスは、何かを両手の上に乗せて、審査員席に向かって差し出して、見せているようだ。
ロシア「宝石?どこ?」
イギリス「はあ?何言ってるんだ?」
ロシア「ちゃんとその出品物を見せてくれなきゃ、想像上の産物なんかを言葉で説明されても、失格だよ」
イギリス「何言ってる!ちゃんとここに持ってるじゃないかよ!お前、根性だけでなく、目も悪いのか?」
ロシア「審査員の皆〜。誰か、イギリスの手の上に、空気以外に何か見える〜?」
誰一人見える審査員はいなかった。
イギリス「あ、やばっ!妖精が見えない連中には、ひょっとしてこの宝石も見えないのか!?」
憐みの視線を送るロシア「ああ、はいはい。いつもの妄想だね。はい、失格」
イギリス「え、ちょっと、待っ」
ロシア「係員さーん、これをつまみ出して〜」
屈強な係員に引きずられていくイギリス「そんなっ!見えない心の汚れたお前たちが悪いんじゃないかーっ!」
ロシア「というわけで、まる描いて地球連合の不戦勝だね」
ロマーノ「何、不戦勝!?ブルコスの連中、あまりの俺たちの赤の神々しさに、尻尾を巻いて逃げ出しやがったな!はっはっはっはっは!」
キラ「はぁ、もうなんでもいいや」


会場外のモニターが設置されている一角の物陰。
イタリア「うわぁ、兄ちゃんが勝ったんだー」
フレイ「何、あれ、あんたのお兄さんなの?」
イタリア「うん、あんまり会えないけどね。俺の大事な兄ちゃんだよ」
フレイ「ドイツ先生とどっちのほうが好きなの?」
イタリア「え?」
フレイ「あんな素敵なお兄さんがいるなら、いちいちドイツ先生を呼びつけないで、お兄さんに頼めばいいじゃない」
イタリア「あははは、無理だよ〜。俺の兄ちゃん、俺と同じで、なーんにもできないもん」
がっくりするフレイ「あんたの一族って……」


ロシア「じゃあ、一勝一敗ってことで、3本目の勝負『美着衣勝負』に移るよ。これは、両陣営からの各代表が、衣装を身につけた上での美しさを競うんだ。今度の審査員は、両陣営から50人ずつ、ファッションリーダーを呼んであるよ。さあ、各代表、ステージに上がってね」
ハイテンションのスペイン「よっしゃー!やったるでぇー!」
スペインは、真っ赤でビラビラのレースだらけのフラメンコ衣装に、そのレースも見えなくなりそうなほどの大量の赤い薔薇をつけている。深紅から薄紅色まで、赤という赤の薔薇を配した、目がチカチカしそうな衣装。
ロシア「うわぁ、血色だね〜。僕の血も騒ぐなぁ。うふふふふ」
スペイン「これが我が『ロッソ・ポモドーロ』の最終形態やっ!」
ロシア「そうなんだ〜。ま、勝ってくれたら、なんでもいいよ〜。で、プラント側の代表は?」
ドイツ「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
ロシア「はぁ?」
ドイツ「その、代表がだな、出る直前になって、突然恥じらい始めてだな……」
ロシア「またぁ?プラントって、度胸のないへなへな人種が多いんだね」
ヴォルフラム「何をーっ!ほら、教官、さっさと出ないから、我々が馬鹿にされているんですよっ!」
アスラン「……お察しします」
ドイツ「さあ、何が起こっても不気味なくらい沈着冷静整然で勤勉努力真面目な性質をだな、ここで発揮して」
ギュンター「拒否するのであれば、今後一生、先生の口に米と味噌と醤油と塩が入らないように妨害しますよ」
日本「そっ、それは困ります!出ます、出ますから、私からお米とお味噌とお醤油とお漬物を取り上げないでください、後生ですーっ!」
ちょっとビビりながらギュンター「え、あ、わかってくださるなら、それで……」
日本「プラント代表、出ます!」
日本は、猫耳メイド服姿だった。頬を赤らめて、恥ずかしそうにうつむき加減ながらも、審査員席のほうにちらりと視線を送る。萌え〜な空気が会場を包む。
ロシア「ちょっ、審査員が何人か、鼻血吹いて倒れたよ!」
舞台袖のオーストリア「恐るべし、日本」
舞台袖のフランス「やばいな。お兄さんもくらくらしてきちゃったよ」
スペイン「ブ……ブラーボや、日本!なんやあの完璧な萌えは!最終兵器かーっ!?」
舞台袖の中国「ふむ。この日本の姿をフィギュアにして海賊版で売れば、また儲かるあるな」
ロシア「審査員、何人生き残ってる?あ、死に際に投票用紙に(鼻)血文字で『日本』てダイイングメッセージが書かれてるのが大量にあるね。これはもう集計の必要はないかな?そだね。ちえーっ。プラント側の勝ちだね。まあいいか、新たな大量殺戮兵器開発のヒントが得られたし〜。じゃあ、2対1で、この戦争はプラントの勝利としまーす」

3本勝負での代理戦争は、司会のロシアの宣言により、プラント勝利で幕を閉じた……かに見えたが。
中国が受注して突貫手抜き工事で建設された広大な会場が、興奮する両陣営の大量の観客に耐え切れず、崩壊を始めた。

オーストリア「ちょっと、中国!このままでは……というか、アナタどんな工事をしたんですかっ!」
中国「それは、建設費をちょろまかすために、欠陥建材を使って、素人大工を使ったあるよ。おかげで儲かったある」
フランス「あのさぁ、君んちの人命軽視もいい加減にしないと……て、人口多すぎて減らしたいんだっけ」
中国「我がまる描いて地球連合でなく、プラントが勝ったというのは腹立つある!きっとプラント側が不正したあるよ!だから滅ぼすある!これ、正義!」
ロシア「うん、僕もその意見には賛成だな〜」
オーストリア「あああああ、もう、避難指示っ!私がなんとかしますっ!」
フランス「が、がんばれ〜、オーストリア〜」


(4)に続く予定
(今年中に(4)を書けたらいいなぁ……(-_-;))




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