ブーゲンビリア
○噛みついて恋や離さぬブーゲンビリア
○驚きの君と夜景のブーゲンビリア
○故郷の花の舞台やブーゲンビリア
○海鮮の暮らしの見ゆるブーゲンビリア
◯少女等のむねふくらんでブーゲンビリア
ペチュニア
◯ペチュニアや安らぎて呼ぶ君の声
ダリア
○明るきはダリアの花とおもふべし
ダリア
ダリア
○開きたる眼の襞のダリアかな
○幼児の母は緋となりダリアかな
○人妻の芯を寄せたるダリアかな
菜の花
○菜の花や道となります月の夜
○菜の花やスーツを少し緩めけり菜の花
○菜の花や自慢の窯の釉薬
○菜の花にバスさよならと出合いかな
○菜の花や写真家の目に近代化
菜の花
○菜の花や一変したり壷の中
○菜の花や峰に花咲く玉子焼き
○菜の花や出会った頃の久しぶり
○菜の花や気分も良くて眩しくて
○菜の花や東西東西足拍子
菜の花
○菜の花や闇のはじめの遠きより
○菜の花や目にも舌にもけふの月
○菜の花の器や実に見飽きない
○菜の花やいきつけ店のお品書
菜の花
○菜の花や塔に訪はるる法隆寺
○菜の花や西も東も大俳人
○菜の花や分けて大河の落し水
○菜の花の余白ながれて青となり
○菜の花や近くて遠き波の音
○菜の花や暮れなんとして千曲川
○菜の花やこの川渡れ関ケ原
菜の花
○バイク停め菜の花たるやこんな日は
サルビア
○サルビアや気心知れて昼休み
サルビア
○サルビアや静かに恋のせりあがる
○サルビアや悲しき町にランドセル
サルビア
○サルビアや声して長く残りをり
○ブルーサルビアアンの恋物語
バナナ
○バナナふとキャプテンキッドの宝島
○島バナナ股にかけたり宝島
○大切な箱入り息子島バナナ
○標高やロマン生み出す島バナナ
○三尺の月の光のバナナかな
バナナ
○降る雨やバナナの皮のぬれてをり
○村人や雨にバナナの打たれをり
○村人やバナナの河を振り捨てて
○濃厚や口にバナナの消えてゆく
○口にするといつもバナナの力かな
○バナナ剥き部活で恋の話かな
○休憩に何も語らずバナナかな
バナナ
○姿よしデザインとなるバナナかな
○二三日姿を残すバナナかな