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怪獣

先日
一気に読み終わった書籍。

【人間椅子】のギター&シンガー
【和嶋慎治】氏

の自叙伝
【屈折くん】





飄々とした
でも
丁寧な文体とリズムで
一気に読みきった。


【あらすじ】
弘前の普通な家庭に生まれた著者(和嶋さん)は

若くしてすでに
普通の人になることを拒絶。


人生
楽チンをすると
本質的に大成しないと

どこかで嗅ぎ取っていたからか

敢えて苦難の人生を選ぶ
そんな和嶋さんは


…メンヘラでもない
こじらせでもない
ただの【屈折】…


そんな和嶋さんは
音楽で食っていくことを誓う。

一大バンドブームを興した
テレビ番組【イカ天】に
アマチュアでエントリー

当時誰も知らない
オリジナル曲【陰獣】で
番組初の完奏をする。


…ちなみに
あの有名な【GLAY】は
後に出演したが
即演奏中断…


売れる音楽に走れば
本当の自分でなくなる

それからも和嶋さんは
一切妥協をせず
ブラックサバス由来の
複雑怪奇で
陰鬱な音楽性を追求し続け

途中から
バンドブームも消失

注目度はドン底

音楽だけでは全く食えず
バイトをしながら
風呂トイレ無しの
ボロアパートを転々と移り住み

それでも
音楽活動を二十年以上続けてたから

日々金は無く
生きることにすら
苦悩し続ける。


その挙げ句
和嶋さんが行き着いたのは…


以下ネタバレだけど
【こんな人に読んでほしい】
・音楽で食っていくつもりの人
・自称【ダメ人間】
・通称【変わり者】
・よく【損をするタイプ】の人




〜〜以降【ネタバレ】〜〜






和嶋さんが行き着いたのは

自分自身を形成した
人との出逢いや体験

…少年期のいじめられた体験も含め…

そのすべての体験と
歩んだ時間が

今の自分自身の
音楽のすべてを
濃密にしてくれている


そんな総ての人との
出逢いや日々に感謝した瞬間から

世界は美しく輝いて見えた

そんな和嶋さんは今も
今ある自分自身を愛し
【美しく生きている】



そして
その瞬間から和嶋さんは

誰が見ても
「おやっ?!」となる
独特な変わり者
【怪獣】
になっていた…




今でも
【人間椅子】の音楽は
レベルが高まり
その濃密さは増し続ける。

集客も少しずつ増えはじめ

ついに知る人ぞ知る
【オズフェスト】出演で

大きな転機を迎えた…。



本書には
微笑ましい笑いもあれば

著者が傷つけてしまった人々への
切々とした謝罪もあり

美辞麗句の並ぶ
薄っぺらな自己啓発本にはない

人生の生々しさがあった。
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