帰りに花火が打ち上がるのが見える。

色とりどりに煌めいて 華やかで

何かを祝っているかのように思えた。

車内にランダムにかけていた音楽は 

離れていく人を思うバラードに変わって

数時間前の光景がフラッシュバック。

時速80`を越えてハンドルを握っていたのに

どうしてこんな日に
打ち上げ花火が見えてしまうのだろうか。
タイミングが悪いにも程がある。

なんて、七色に光っては散る花火から
目をそらした。

時間差で響く爆発音。
高層ビルに反射する輝きまでも
右足の力をさらに強くさせた気がした。