九月も半ば過ぎようとする秋の季節。
涼しい風に髪を靡かせ、私は思うのであった。今年も色々とせかせかしい時期だったなっと。
可笑しな話だ…
毎年毎年、同じ事を思いながら静かな時間を過ごしているのだから。
私は紙に走らせていた万年筆を止める。
「んー…良い香りですね」
何処からともなく匂ってくる紅茶の香りに鼻をクンクンさせた。
間違っていなければ、ハヅキが紅茶を淹れているのだろう。仄かな笑みを浮かべ、私はまた万年筆を走らせてた。
最近は趣味である詩をちょくちょくと書く様にした。
天神界に居る頃より捗るのは多分…
「んっ、ウリエル?」
彼のせいかも知れない。
「寝てて構いませよ…」
「確かに眠くなるぐらい涼しい季節にはなったが、ソナタの楽しんでいる姿を見たら寝ているのが勿体無くなった…」
「私、そんなに楽しそうですか?」
「あぁ」