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♪小説「Deslers'War(King Of Desler)」第四話♪

『ゼニー第58機動部隊旗艦・空母「エンタープライス」艦橋...司令長官のスプルーアンは、バットン将軍からの空爆依頼の打電に困惑していた。

スプルーアン「そんな...ドーントレ急降下爆撃機で敵の拠点ごと吹き飛ばすだと?
アイゼンハウエルはそれを承知しているのか[e:733]
我が艦載機は、ボラーの艦隊発見次第、すぐにでも攻撃出来るように雷装して待機しているのだ...もし万が一、地上爆弾に換装中に敵が来襲したら」
副官「司令、国務省のヘス次官より連絡が入っております」
スプルーアン「そうか、パネルに映せ」

ゼニー合衆国国務省政策次官アルジャー・ヘス「スプルーアン、大統領閣下からの伝言を伝える。直ちにバットン将軍以下のベムラーゼグラード上陸軍を収容し、惑星破壊ミサイルで、かの星を抹殺せよとのお達しだ」
スプルーアン「そ、そんな無茶苦茶な!!!もしその間に、ボラーの艦隊に攻撃されたら...我が艦隊は、地上部隊もろとも壊滅いたしますぞ!ゴーマン大統領閣下はそれをご承知なのですか[e:733]」
ヘス次官「黙れ!これまで敵艦隊を発見出来なかった貴様の索敵が甘いからだろうが!!!大統領閣下は、゛敵の本丸・ケイビシェフを目前にして、いったい何日そんな小さな前線基地の攻略に手間取っておるのか゛と貴様にもアイゼンハウエルにもご立腹なのだ!
一刻も早く任務を終わらせてケイビシェフ攻略作戦に備えよ、よいな!!!」

スプルーアンは、やむなく危険を承知の上で、空母を護衛する防空水雷戦隊の一部を上陸軍の撤退作戦に向かわせ、惑星破壊ミサイル搭載空母ヤークタウン、レキシンタン、ホーネック、エンタープライス、サトラガ、ワスフの六隻に準備を命じた。これにより、スプルーアンの空母部隊は、敵からの空爆に対してほぼ丸裸の状態になってしまった』

『小惑星「ミッドウェル」近郊Z宙域

ボラー連邦第3打撃艦隊司令長官イワン・イザコフ「フフフ...さすがはヘス次官、よくぞここまで用意周到にお膳立てしてくださったものだ。一気にゼニーの2人の国民的な英雄、アイゼンハウエルとスプルーアンのクビを取る絶好の機会だ!」

アルジャー・ヘス...その正体は、今は亡きベムラーゼ前首相がゼニーの政権中枢に密かに送りこんでいたスパイだったのである
《続く》

♪小説「Deslers'War(King Of Desler)」第三話♪

『惑星ベムラーゼグラード・ボラー連邦軍指令部...ボラー本星がアクエリアスの水害によって壊滅的な損害を受けたため、ボラー首脳部は辺境の惑星ケイビシェフに逃れ、本星の荒廃からの復興を指揮していた。だが、突然、ゼニー合衆国の侵攻部隊が国境を越えてボラー領内に侵攻...次々と要衝の星を攻略されてしまい、今やこの星が、ケイビシェフの前線に残された゛最後の砦゛となっていた。

政治委員ニキータ・フルチコフ「コネフ、君の機甲師団であとどれくらい持ちこたえられそうかね?」
コネフ大将「もってあと3日が限界かと...。我がほうのT-35戦車は強力です。ゼニーの侵攻部隊に多大な損害を与えております。ですが、残念ながらあまりにも数が不足しています。
こんな辺境の惑星ですから...まして、ゼニーが突然侵攻してきて、まさかこの星にまで迫ろうとは、同志ベムラーゼも予測出来なかったのでしょうね」
フルチコフ「実は、先ほど同志ベムーリンから連絡があってね、ジュコフ大将の機甲三個師団を援軍で送ってくれたそうだ。
T-35は勿論、新型のベムーリン重戦車も多数配備しているそうだよ」
コネフ大将「ジュコフが?!゛ナモンハンの虎゛が来てくれれば鬼に金棒です!!!
さらに、ガルマンガミラスとの休戦、共同戦線が実現すれば、逆にゼニーの本星ワシンタンに侵攻して、ゴーマン大統領を血祭りにあげることも可能ですぞ!」』

『ゼニー軍ベムラーゼグラード侵攻部隊指令部

バットン中将「くそったれめ!!!この星に侵攻して、もう10日にもなるというのに、たかがあの程度の台数の戦車に何を手こずっているんだ!
アイゼンハウエル閣下に進言して、全師団長を更迭させるか!!!」
副官「恐れながら、戦車の性能の差が大きすぎるのが原因かと...。我がほうのシャマン戦車では、全く歯が立ちません」
バットン中将「畜生!この星さえ落とせば、ケイビシェフはもう目の前だというのに!!!
個人的には、あのインテリ野郎は大嫌いなんだが...この際仕方ない。スプルーアンに頭を下げて、機動部隊に徹底的に地上を空爆してもらうか。
例えどんなに敵の戦車が強力だろうが、ドーントレ急降下爆撃機800機の爆撃で、地上ごと吹き飛ばしてしまえばよいわ!!!」
副官「.....」』
続く

♪小説「Deslers'War(King Of Desler)」第二話♪

『ガルマンガミラス帝国辺境の惑星゛コレヒドーレ゛...先のアクエリアスによる水害からかろうじて免れることが出来たこの星に、キーリング総参謀長以下、ガルマンガミラスの首脳陣が難を逃れ、総統デスラーの留守を守っていた。

キーリング「総統がお帰りになるまでに、まずはガルマンガミラス本星の再建を急ピッチで進めなければならんな」
参謀A「総参謀長、一大事であります!!!先ほど監視衛星の記録映像をモニターしたところ、ボラー連邦の戦艦一隻が、国境を超えて我が領内に侵入した模様!」
キーリング「なんだと[e:733]...戦闘衛星はどうしたんだ[e:3][e:3][e:3]
捕捉・殲滅出来なかったのか[e:3]」
参謀A「それが...衛星のコントロールステーションに、マロトフ外相からのメッセージが入りまして...゛私は、ベムーリン首相閣下からデスラー総統宛てのメッセージを託された使者である。交戦の意思はない゛とのことでありました」
キーリング「マロトフ外相だと[e:733]」』
『ボラー連邦領辺境の星゛惑星ケイビシェフ゛...ベムラーゼ亡き後、首相の座についたベムーリンは、アクエリアスの水害の際、皮肉にもガルマンガミラスのデスラー総統と同様に、この星に視察に来ていたために難を逃れていた。

ベムーリン「おのれ、ゴーマンめ!!!我が国の災害に便乗しおって。ベムラーゼが以前、惑星ナモンハンでゼニーの国境部隊と小競り合いがあった際に、そのまま一気にけりをつけてしまえば良かったのだ。ガルマンなどは、後からいくらでも料理出来たというのに。惑星キエプとベクーがゼニーの手に渡ってしまった今、悔しいが我々だけの戦力では、これ以上持ちこたえるのは不可能だろう...。なんとしても、ガルマンガミラスとの一時休戦、共闘を実現させなければならない」

ベムーリンは、部屋に゛ナモンハンの虎゛の異名で知られる猛将・ジュコフを呼びよせた。

ジュコフ「お呼びでございますか、首相閣下」
ベムーリン「うむ。君を呼んだのはほかでもない...直ちに機甲三個師団を率いて、惑星ベムラーゼグラードに向かって欲しい。
あの星を失ってしまったら、我々にはもう後がないのだよ」』
☆続く☆

♪小説「Deslers'War(King Of Desler)」第一話♪

私が涙を流したのは、いったい何年ぶりのことであったろう...。

私は、゛泣く゛という行為そのものを忘れてしまっていたのではないだろうか?

だが、我が最大の敵...そして後に最大の味方になってくれた宇宙戦艦ヤマトは、水惑星アクエリアスによる水没から地球を救うために、自爆して海底に沈んだ。艦長・沖田十三を道連れにして...。
私は直接会話を交わすことはなかったが...沖田十三、尊敬に値する立派な艦長だった。
私は、波間に沈むヤマトを涙と共に見送った。そして、心の中で、ヤマトのクルーの諸君に別れを告げた。特に、古代とユキには、これから結ばれ、幸せな家庭を築いて欲しいと願っていた。

「タラン、全艦隊、ガルマンガミラス本星に向けて進路を取るように伝えよ」

ガルマンガミラス帝国は、この度の水惑星アクエリアスの接近によって多大な損害を受け、荒廃してしまった。
我が敵であるボラー連邦も状況は同じであろう。
今は、ボラーよりも早く、国家の再建を成し遂げることが急務なのだ。

『だが、デスラーは、銀河系の辺境に、この度のアクエリアスの水害を免れた「ゼニー合衆国」という一大星間国家が存在すること...そして、国家元首であるゴーマン大統領はガルマンガミラス、そしてボラー連邦領それぞれに向けて、強大な大艦隊を派遣しようとしていたことを知るよしもなかった。既にスプルーアン元帥率いる機動部隊を主力とするボラー連邦侵攻部隊は、次々とボラー領に侵入、早くも辺境の星のいくつかは、アイゼンハウエル大将の陸上師団によって占領されていた。デスラーとの決戦に破れて戦死したベムラーゼに代わり、新首相に就任していたベムーリンは、密かに゛ガルマンガミラスとの一時休戦、侵略軍に対する共闘゛を呼びかけるべく使者を派遣しようとしていた。

そして、ミニッツ元帥の機動部隊、マッカーシー大将の陸上師団を主力とするゼニー合衆国のガルマンガミラス侵攻部隊は、今まさにガルマンガミラス領の間近まで迫っていたのだった』
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