久しぶりに創作小説更新しました〜
まったり進んで…なかったり
「レッタ、今日も夕飯食べていく?」
「うん! いつもありがとう」
家に帰っても私が一人ぼっちだということが分かっている魔法使いさんは、こうして会いに来た日は必ず食事に誘ってくれる。
魔法使いさんの家で過ごす時間はとても幸福な時間だと、いつも思っている。
彼が一緒に暮らしていた彼の祖母――もちろん彼女も魔法使いだったが、が亡くなり、彼が一人で生活するようになっても、変わらず足を運ぶのはおいしいご飯が有るから……という訳じゃない。
私は、彼の事が好きなのだ。こうして私の事を受け入れてくれるのが嬉しいから。傍にいるだけで、心が温かくなるから。できればずっと一緒にいたいな、と思っているのは子供のころからずっと近くにいたから、という理由だけでは無いのは分かっている。
私はそう思っている。でも彼は? 彼の中で、私は森の中で泣いていたかわいそうな女の子のままなのだろうか。現に彼の私への態度はほとんど変わっている気がしない。そりゃあ初めて出会った頃に比べると、はるかに親しくなったとは思うけれど。
魔法使いさんの家に着いてから調理を始め、ほどなくして、二人で作った食事をいただく。基本的に自給自足の魔法使いさんの家で食べる食事は、質素だけど暖かい。
今日のパンはこっそり家から持ち出してきたものだけど。まあ、自分の家の物だし全く問題無いだろう。魔法使いさんは案の定あまり良い顔をしなかったが、気にしないことにしておく。
家にいればしない調理もここではさせてもらえる。小さいころからやらせてもらっているおかげで、だいぶ上手になってきたと思っている。
うん。今日の出来もまあまあかな。