2020/6/1 Mon 01:13 [ 0 ]


先日、ロイが実家に帰った。家業、とまでは行かないが、錦鯉を飼育している。それこそ父親が若い頃はそれが生業だったが、年老いてからは市場に出す事はせず、飼いたいという人にしか売らないのだという。

越冬の為、小屋にいた錦鯉達を山の生簀に放す作業があるのだが、高齢の父親には荷が重く、手伝って欲しいという連絡があった。

僕はどんな作業か興味はあったが、まだきちんと両親に挨拶した訳ではないので土産話を待つ事にした。

去年の11月に小屋にいた錦鯉達は結構いいサイズになっていたという。あの可愛らしい子達が、たくましくなってしまったのかと思うと少し残念な気もしたけれど。小屋に入ると足元の寄って来るのがとても愛らしかったが「餌をくれると思って寄って来るだけだ」と笑われた。

山へは軽トラックで運んだらしいが結構な重労働で体中筋肉痛だったという。

夕方になり、実家で飼っている牛を散歩に連れて歩いたそうだ。何代続いているかは分からないが錦鯉と同じく闘牛の家系で、角突きをする牛を何頭も育てて来た。父親は目利きが上手く、何頭もの横綱を育て、闘牛会でも評判だったが、最近はからっきしの様で、今の牛はやんちゃで暴れん坊。闘牛中にロイを上空に突き飛ばした事もある。

今年はコロナの影響で闘牛も中止が続いている。ただロイが帰って来ると闘牛だと思い、牛が早く出せと鳴くのだという。

少し人嫌いで、闘牛中も足に縄を掛けられるのが嫌で、時々逃げ回っていたが、僕が来てからはそれもだいぶ減った。僕が後ろ足の近くで撫でたりしていたが、嫌がる素振りは見せなくなりロイも驚いていた。

動物は話しかけるのがいい、と聞いた事はあるが、結構話しかけている。人嫌いな割に、機嫌が良いと耳も角も触らせてくれる。たまに尻尾で叩かれる。

ちなみに実家には猫もいるが、なかなか僕に懐かない。去年の11月には二度見された。変な奴がいる、という顔だった。今年は猫と距離を縮めたいが、実家に足を運べるだろうか。

今思うと代々伝統を受け継ぐ家柄の人と付き合ってしまったなぁと。しかも跡取りだし。でも、動物(錦鯉も含めて)は好きだから苦にならない伝統で良かったとは思っている。


伝統を受け継ぐ人

[ ALDEBARAN ]





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